こんにちは、保育士の中田馨です。子どもが歩けるようになると、興味関心が増し気になるところにどんどんと歩いて向かっていくようになります。
そんなわが子の姿はとても微笑ましいのですが、「車が来たら危ないから止まる」「溝があるから落ちないように歩く」というような危険を予想して行動することはまだできません。興味関心があるものを見つけたら「危ない!」「ダメ!」といっても聞かずに走っていくのが子どもです。
今回は、そんな好奇心旺盛な子どもと一緒のお出かけで気を付けたい、年齢別の危険の教え方を話します。
子どもに危険を知らせるときのママの対応
子どもに危険を知らせるときに大切なのが、ママの態度。「危ない」ことを、毅然とした態度で知らせます。毅然とした態度とは、真剣な表情・ゆるぎない態度・声かけです。
例えば、大通りで走り出したら「危ない!」と言い、手をしっかりと握って制止します。それでも行こうとするときは、しっかり抱きしめて止めます。そして、真剣な顔で子どもの目を見ます。「ママは本気で伝えている」ということを子どもに知らせることが最も大切なことです。
しかし、一度注意をしたらしなくなるものではありません。何度も起こる可能性がありますので、繰り返して伝えます。また、危ないことが起きたその場で子どもに伝えることが大切。「ヒヤリ」としたことを「ああ、危なかった」だけで流してしまわずに、伝えることを繰り返していくうちに、子どもは社会でのルールを学んでいきます。
そして、お家のルールを明確にしましょう。
・道を歩くときはお母さんと手をつなぐ
・駐車場では走らない
・交差点ではいったん止まって車などが来ないか確認する、など
パパとママが大切にしたいお家ルールを決めます。
1歳児への危険の伝え方
1歳の子どもはまだ言葉の理解が未熟なため、特に「ママのゆるぎない態度」で伝えることが大切です。
例えば、手をつながずに道を歩こうとする、高い段差に上がろうとすることを「危ない!」と伝えることが大切です。高い段差に上がってバランスを崩したとしたら「怖かったね」と起きたことに対しての説明をして子どもの気持ちに共感します。
今はまだ言葉の理解はできないかもしれませんが、子どもの気持ちに共感することで次のステップにつながります。そして、ママは別の興味へ子どもの関心を向けてみましょう。「ママと歌を歌いながら歩こうか」「あっちに大きなトラックが走っているよ」など。1歳の子どもにはまだわからないだろうと思って伝えないのではなく、短い言葉で、繰り返し伝えていくことが大切です。
2歳児への危険の伝え方
1歳のときに繰り返し伝えてきたことが、2歳になると徐々に分かるようになってきます。
例えば、触ると熱いもの・冷たいもの・痛いものなども、これまでの経験の中で理解し始めます。外に出たときも「ママと手をつなぐ」というルールがわかるようになります。とはいえ、まだまだ自分の興味関心のあるものがあるとパッと走り出したりすることもあるので、気を付けるようにします。引き続き「危ない」ことを短い言葉で伝え続けます。
3歳児への危険の伝え方
これまでは危ないことを簡単な言葉で伝えてきましたが、3歳ごろになると理解力が増してくるので、さらに伝え方が変わります。「どうして危ないか?」を説明していきましょう。「車にぶつかったらケガをするし、とっても痛いんだよ」など、具体的に言うのもいいでしょう。さらに「こういうときはどうしたらいい?」と聞いてみると「こうしたらいい」と返事が返ってくるようになります。そうするうちに、危険を予想して、自分で自分の身を守るすべを身につけていくのです。
子どもは1回言ったら、その通りに言うことを聞くわけではありません。長期間かけて、大人が見守りながら繰り返し繰り返し伝えていくことで、社会のルールを身につけていくことが大切です。