キッチンカーを始めるママ友の図々しいお願い
「あなたの旦那さん、調理師じゃん? ちょっとメニュー開発に手を貸してくれない? もちろんタダで! 私たちの仲なんだから、ちょっとくらいいいでしょ!」
詳しく話を聞いてみると、具体的なメニューは決まっておらず、原価計算や衛生管理の方法についてもほとんど知らない様子。ただ、縁あってキッチンカーを譲ってもらえたから始める、ということでした。
どうやら、私の夫に一から教えてもらうつもりだったようで……、「相談」というよりは「無料で手伝ってほしい」というお願いでした。
しかし、夫は日々激務で、家族である私たちですらすれ違いの生活が続き、なかなかゆっくり会話できない状況です。さすがに無理だと思い、はっきりとお断りしました。
その後、そのママ友はメニュー開発に行き詰まり、結局一度も営業することなくキッチンカーを手放したそうです。そして「私たちが協力してくれなかったからだ」と園のあちこちで話していたと聞きました。
ですが、事情を知ったほかのママたちはその話に引いてしまったようで、逆に彼女のほうが少し距離を置かれるようになっていました。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉を、身をもって実感した出来事です。
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「私たちの仲だから」という言葉は、ときに都合よく使われてしまうことがあります。しかし、友情は“無償の労働”を前提に成り立つものではありません。無理をして関係を続けるのではなく、必要なときにはきちんと線を引くことも大切。心地よい関係を長く続けるためにも、適切な距離感を意識していきたいですね。
著者:柴田さとこ/30代 女性・主婦。小学生の男の子を育てる母。夫は激務のためワンオペ。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)