野生動物の咆哮…昔からうるさかった父のいびき
私の幼少期の記憶に深く刻まれているのは、夜になると寝室から聞こえてくる父のすさまじいいびき音です。それは、単なるいびきではなく、まるで野生動物が咆哮しているような、地響きを伴う爆音でした。幼いながらに「隣の部屋なのになぜこんなにうるさいのだろう」と不思議に思うほど、その音は家全体の空気を震わせていたのです。
母は長年、耳栓を使ったり、寝返りを促したりと、さまざまな対策を講じていましたが、最終的には安眠確保を理由に、父とは別の部屋で眠ることを決断。子ども心に「お母さん大変だなぁ」と同情していました。
そんな環境で育ったせいか、結婚して夫と暮らし始めたとき、夫もそれなりにいびきをかくタイプだと知りましたが、私の感想は「父の爆音に比べれば、まだ我慢できるレベル」というものでした。そのため、私は夫のいびきに対しては、完全に油断していたのです。
3世代旅行で発覚!父を上回る夫の爆音にあぜん
ところが先日、そんな私の余裕を根底から覆す出来事が起こりました。父と夫、そして4歳になったばかりの息子と私の4人で、久しぶりの家族旅行に出かけたのです。宿泊先は、風情のある老舗旅館。広々とした和室に布団を4枚並べて、家族全員で川の字になって眠ることになりました。
温泉につかり、おいしい食事を堪能して、いざ消灯。そのとき、私の頭をよぎったのは父のいびきでした。「せっかくの旅行なのに、父のせいでみんなが寝不足になったら申し訳ないな」と勝手に心配していたのです。
しかし、そんな思いは、消灯5分で吹き飛びました。静まり返った旅館の部屋に響き渡ったのは、夫の爆音のいびきだったのです。
私は、あまりの衝撃に、布団の中で目を見開きました。普段より疲れていたからか、目の前で鳴り響く夫の音量は、父親を完全に圧倒していたのです。遅れて父のいびきも聞こえ始めましたが、夫のボリュームの前では、父のいびきさえ、かわいい小鳥のように聞こえてくるから不思議です。
夫と父のいびきが共鳴しているような空間の中で、絶望感に打ちひしがれながら、夜明けを待つことになったのでした。
朝に息子がひと言…完全に崩れた序列ピラミッド
朝、寝不足でフラフラの私に対し、父は申し訳なさそうに「俺のいびき、うるさかったかな?」と苦笑い。私は、寝不足のイライラも手伝って、ここぞとばかりに夫を指さし「お父さんより夫のほうがずっとうるさかったよ」と責め立てました。
夫は「えっ、そんなにひどかった?」ととぼけた顔をしています。私は、自分の正当性を証明するために、隣で朝食を静かに食べている息子に、「パパのいびき、うるさかったよね?」と助け船を求めました。
しかし、息子は箸を止めると、冷ややかな視線を私に向け「パパもすごかったけど、昨日の夜に一番大きなお口で、トドみたいにいびきをかいていたのはママだったよ?」と、悪気のない笑顔で言い放ったのです。
素直な息子がウソをつくはずもありません。その場に凍りつくような沈黙が流れました。夫が驚いた顔で私を見、そして父が「やっぱりお前は俺の娘だなぁ」と、これまで見たこともないような誇らしげで慈愛に満ちた笑顔で私を見つめていました。
まとめ
夫が父のいびきを超えていることに衝撃を受けたのもつかの間、実は私がそのさらに上を行く爆音を響かせていたなんて……。かつて、夫の爆音から逃れるために別室へ行った母の背中を思い出し、息子に申し訳ない気持ちに。
いびきは自分では気付けないからこそ、家族の指摘を「健康や環境へのサイン」として真摯に受け止める大切さを学んだ気がします。
旅行の帰り道、すぐにドラッグストアで自分と夫用のいびき防止テープを購入しました。幸い、息子はまだおもしろがっていますが、いつか「ママと同じ部屋で寝たくない」と言われないよう、今は時々音量チェックをお願いしています。わが家の安眠空間への道のりは、まだまだこれからです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山田 桃代/40代女性。専業主婦。5歳年上の夫と2022年生まれの虫取り大好き男の子の3人家族。昼間にオリジナルのお菓子作りをするのが毎日の楽しみ。
イラスト:ののぱ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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