今日は「うまくいった日」だと思ったのに…
その日は朝から公園へ出かけ、お弁当を食べるなど、大きなトラブルもなく過ごせた一日でした。落ち着きのない双子を見守り続けるのは簡単ではありませんが、「今日はうまくいった」と自分を少しだけ誇らしく思っていました。
ところが、帰りにスーパーへ立ち寄った瞬間に事態は一変します。スマホで買い物リストを確認した、ほんの数秒のこと。その隙に、双子は子ども用カートをつかんでお菓子売り場へ一直線に走り出したのです。
「危ない! 走らないで!」と叫びましたが、私の声は届きません。
ようやく双子に追いついたとき、近くにいた女性から「なんて危ないの! ちゃんとしつけなさいよ」「おとなしくできないなら、子ども連れで買い物しないでくれる?」と激しく怒鳴られてしまいました。
突然の叱責に頭が真っ白になり、必死に「すみません」と頭を下げながらも、なぜか涙が止まらなくなりました。そんな私の様子に驚いた女性はそのまま去っていきましたが、私はその場で立ち尽くしてしまいました。情けなさと自責の念で、心が張り裂けそうだったのです。
救いとなった、レジの女性の言葉
これ以上泣いてはいられないと、私は双子を注意して促し、最低限必要な商品だけ手にとって逃げるようにレジへと向かいました。すると、会計をしてくれた女性店員さんが、私の涙に気づいたのか、やさしく声をかけてくれたのです。
「いつも来てくださっていますよね。双子ちゃんの育児、大変でしょう? 頑張りすぎないでくださいね」
その温かい言葉に、張り詰めていた糸が切れたように、また涙があふれ出しました。責められてばかりだと思っていたけれど、見ていてくれる人はいる。そう思えただけで、少しだけ救われた気がしたのです。
あとで落ち着いてから、「なぜあんなに落ち込んだのだろう?」と考えました。きっと、あの叱責が引き金になり、積み重なっていた疲れや不安が一気にあふれ出してしまったのだと思います。
もちろん、店内で走ってはいけないのは事実です。しかし、私ひとりで双子を連れて歩くことには、どうしても限界があります。この一件以降、疲れきっている日は無理にスーパーへ寄らず、宅配サービスをじょうずに活用するなど、自分なりに工夫するようになりました。
完璧でなくていい。ただ、今日も無事に家に帰れた。それだけで十分なのだと、今はそう思っています。
著者:木下うめ子/30代女性。2018年生まれの双子ママ。自閉症の双子のサポートに日々奮闘中。管理栄養士の資格を持っており、食べることが大好き。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
※AI生成画像を使用しています