お金を貸した翌月、ママ友がとった驚きの行動
息子の幼稚園時代に、仲の良かったママ友からランチに誘われたときのことです。向かい合うなり、「あのね、実は相談があるんだけど……」と、彼女はとても真剣な表情で話を切り出しました。いつもとは違う様子に、私もただごとではないと思い、しっかりと話を聞こうと身構えたのです。
彼女が言うには、夫の収入が今月は極端に少なく、生活費が足りなくて本当に困っているとのこと。来月には収入が戻るはずだから、それまでの当面の生活費として3万円を貸してほしい、というお願いでした。
今思えば、お金の貸し借りに関してはもう少し慎重になるべきだったのかもしれません。でも、普段から親しくしているママ友がそこまで思い詰めているのを見て、少しでも力になれたらと、私はその場で承諾したのです。
彼女は「ありがとう! 来月絶対に返すから待っていてね」と、とても安心した様子でした。私も「もちろん、大丈夫だよ」と答え、その日のランチは和やかに終わりました。
その後数日は、幼稚園の送迎時に顔を合わせても、いつもと変わらない会話を交わしていました。ところが、翌月に入って少し経った頃、彼女と登園時間が合わなくなってきたことに気がついたのです。気になって息子に様子を聞いてみると、風邪でお休みしているとのこと。早く良くなるといいな、くらいに思っていたのですが……。
それから3日後。いつものように幼稚園へお迎えに行くと、息子が慌てた様子で駆け寄ってきました。「○○くん、お引っ越しして、もう幼稚園に来られないんだって!」
突然のことに驚き、慌てて彼女にメールを送ったものの、返信はありません。結局、貸したお金が戻ってくることもありませんでした。
後になって他のママたちから聞いた話では、彼女は私の他にも数人からお金を借りていたそうです。誰にも返済されないまま、旦那さんとは離婚し、子どもを連れて遠く離れた県外へ引っ越していったようだと耳にしました。
何かきっと彼女には誰にも話せない事情があったのだと思います。あの時の私のお金が、思い悩んでいた彼女にとって少しでも救いになっていたのならと、貸したお金のことは諦めることにしました。今はただ、遠い空の下で、彼女と子どもが元気に、心穏やかに過ごしていることを祈るばかりです。
著者:秋田ねる/30代女性/子どもは5歳で女の子。時短だが会社員。趣味は音楽をきくこと。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)