娘の病気と自責の念に駆られた産後
妊娠36週6日で生まれた娘は、低出生体重児で出生時の血糖値もかなり低い状態でした。生後数日経っても血糖値が安定せず、「高インスリン性低血糖症」と診断されたのです。低血糖の状態が続くと脳に影響が出る恐れがあるとのことで、すぐに治療開始へ。
小さく産んだだけでなく、脳への影響もあり得る病気だなんて私のせいだ……この子にかわいそうなことをしたとひたすら自分を責めました。NICUにいる娘を想い、病室でもずっとひとりで泣いていました。
乳児に毎日針を刺し、採血するつらさ
1カ月ほどで娘は退院し、自宅での治療を開始。身の回りのお世話に加え、1日3回の投薬と血糖値の測定を毎日欠かさずにおこなう必要がありました。血糖値の測定は足の裏に細い針を刺し、そこから出た少量の血液を測定器に当てて測定します。
針を刺す場所を間違えてしまうと娘が痛がって泣いたり、血液が出てこず何度も刺し直さなければいけなくなったりと大変で、まだ小さな娘の足に針を刺すたびに心が痛むつらい作業でした。
治療の結果、血糖値が安定するように
生後3カ月ごろまでは血糖値が安定せず、2週に1回通院していました。そのころは治療がいつまで続くのかがわからず不安になり、治療も子育てもうまくいかないと、自分が不甲斐なくて泣くことも多々ありました。
やがて娘が離乳食を開始し、私の身体的負担を軽くするために混合授乳から育児用ミルクに切り替えた生後6カ月ごろ、血糖値が安定するようになったのです。発達も順調であることがわかり、治療や子育てに対する私の不安も次第に和らいでいきました。
1歳を過ぎてからの娘の様子
それから薬の量も減っていき、1歳の誕生日を迎えるころには薬がなくても血糖値が安定してきました。毎日の血糖値測定も不要となり、血糖値測定キットが必要なくなったときは「ああやっと終わったね、よく頑張ったね」と娘と喜びを分かち合いました。
その後も半年に1回ほど定期通院をしていますが、発達も問題なく経過も順調とのこと。通院も3歳で終了予定だったので、ようやくひと安心です。
娘の病気に対し不安も多々ありましたが、何よりも小さな娘自身が痛い血糖値測定や、苦い服薬も頑張ってくれたので乗り越えることができました。今は元気な娘の姿にとても幸せを感じます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/sawawa
監修/助産師REIKO
著者:金岡莉緒
1女の母。独身時代から住宅関連企業に勤務し、産休育休を経て時短勤務中。妊娠・出産・子育てに関する自らの経験を中心に執筆している。