父親になったら知っておいてほしいこと【保育士おとーちゃんコラム8】

2019/09/17 19:00
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子育てアドバイザーとして、全国のママや保育士に絶大な支持を受ける保育士おとーちゃん・須賀義一氏の、子育てがラクになる秘訣やヒントがつまったコラム連載第8回目。今回は男親の子育ての意識について。男性が父親になったとき、ぜひ知っておいてほしいことをお伝えします。
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パパの子育てのイメージ

 

少し前に「イクメン」という言葉が一世を風靡しました。でも今現在では、「イクメン」はもはや過去の考え方になっています。なぜ、「イクメン」は過去のものとなったのか、そのことについてお話ししたいと思います。

 

子育ての主体としての親になりきれていなかった「イクメン」

パパの子育てのイメージ

 

「イクメン」が過去のものになったのは、単に「育児する男性」というだけで、育児することをアピールするのは、子育ての主体としての親になりきれていない態度だったと言えるからです。


だって、育児する女性のことを「育ウーマン」とか「育母」とか言わないですよね。

これまで社会的文化的に、子育ては女性のものという感覚がとても強くありました。

 

しかし、男女が平等と考える現代社会になり、このような意識のままでいることはもはや男性にとってもプラスになるものではなくなっています。「イクメン」は、男性が子育てにほとんどノータッチのころからの過渡期として現れたもの、すでにその時期はもう終わっています。

 

現代では、子どもを持つ男性に対して、子育てに参加してかっこいい「イクメン」ではなく、子育ての当事者としての父親になることが求められています。

 

子育てには当事者意識が必要

僕はこのことをこれからお子さんが産まれる方、産まれてまもなくのお子さんをお持ちのお父さんに、ぜひ知っておいてもらいたいと思います。

 

それは男性を責めようと思って言うのではありません。むしろ、男性の人生の自己実現のためにどうしても理解しておいてほしいことだからです。

 

このこと。つまり男親の子育ての当事者意識のあるなしは、これから家庭、家族を営んでいくうえで大変大きな意味を持ちます。

 

たとえばこんなケースがありました。夫婦共働きで10カ月のお子さんがいます。あるとき、お子さんが発熱して体調を崩しました。普段は保育園に預けていますが、熱があるのでお休みします。偶然にも翌日は、父親がお休みで特に用事もなく家にいる予定でした。母親は仕事です。

 

「明日は子どものことをお願いね」。そう母親が伝えると、父親は「見てるだけでいいなら見ていてあげるけど、ほかには何もできないよ」と答えました。


仕方なく母親は、子どものごはんや父親のお昼ごはんまで、当日いつもよりさらに早起きをして作ってから仕事に行ったのでした。

 

さて、ここにあるのが男女の子育てにおける当事者意識のギャップです。


男性の「悪気はなかった」は言い訳にはならない

子育ての当事者意識のないパパ

 

結婚して子どもができるまでは仲むつまじかった夫婦でも子育ての当事者意識のギャップがあれば、女性の側からすれば百年の恋も冷めるということになりかねません。

 

このとき、男性の側の「悪気はなかった」「疲れていた」「毎日仕事で頑張っている」というこうしたお気持ちの問題は意味がありません。

 

また、もしこれが仮に母親が専業主婦だとしても理由になりません。母親が専業主婦であるからといって、父親が父親の座を降りていいことにはならないからです。

 

子どもを育てるというのは、何があろうとやらなければならないことの連続です。子どもがおなかを空かせていれば、疲れているとか、普段仕事で頑張っているということなど関係なしに、食事を与えなければなりません。また、清潔にし、健康や安全に配慮し日々を過ごさせねばなりません。

 

今まで女性はそれをやってきました。まるで男性だけがそれを免責されているかのような態度や言動だったとしたら、女性からすると「この人は本当にこれからの人生をともに歩んでいける存在なのだろうか」という、大きな疑問符がついてしまうことは避けられません。

 

子育てをきっかけに人生の価値観の違いを認識することも

夫婦間で、こうした子育てを契機に人生の価値観の違いを認識するケースは多いです。これらは時間が経とうとも、忘れようとしてもなかなか忘れられるものではありません。

 

熟年離婚のケースなどでも、何年も昔の子育てのことが理由として挙がってくることなども決してまれなことではありません。

 

男性からすると、「え、そんなことで」と思うといった場合もあります。しかし、母親が本気で悩んでいた子育ての問題を「そんなこと」と思えてしまうこと自体が、まさに子育ての当事者意識が欠如していたことを如実に表わしています。


子育ての当事者意識のあるなしの差は、パートナーにそのような疑問符をたくさんつけてしまいかねません。男親であっても、子育ての当事者であるという意識が欠かせなくなっています。

 

男性は妊娠がわかったときから子育て当事者意識を持とう

「男親の出番は子どもが大きくなってから」といった感覚は、もはやかつてのものでしかありません。

 

「男なんだから、なかなか親としての認識ができないのも仕方がない」。こうした、昔ながらの使い古された意見によって、自身の親としての責任を免責しようとしてしまえば、それは男性にとって自分で自分の首をしめるようなものです。

 

女性の妊娠がわかったとき、子どもが0歳の今から父親として子育て当事者の意識を持つもつことで、男性も家庭における自己実現、子育てにおける自己実現をして家族とともに幸せになることを模索する、そういう時代になっています。

 

著者

保育士 須賀義一

子育てアドバイザー・保育士


子育てアドバイザー/保育士。大学時代はドイツ哲学を専攻。人間に携わる仕事を志し保育士になる。子育てのポイントや育児相談。保育士としての知識、主夫として子育てした経験を綴ったブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が人気を博す。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(PHP研究所)がある。現在は子育て講演や座談会、保育研修・監修、コラム執筆などをしている。個別の育児相談や講演依頼はブログ内リンク先のホームページより受付。


ブログ:「保育士おとーちゃんの子育て日記」



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