突然の無茶振り
ある日、ようやく双子をお昼寝させてホッと一息ついたところに、義母から1通のメッセージが届きました。画面を見ると、「今月は誕生日の親戚が多いから、親戚全員でお祝いの宴会するわよ!」という驚きの内容が。しかも、日取りは明後日の平日の夜。大勢を集めてバーベキューと花火をするというのです。
さらに信じられないことに、義母は「当日の夕方に買い出しして、うちに来て全部準備してちょうだいね。私は腰が痛いから企画担当だから」と、すべての負担を私に丸投げする始末。
生後半年の双子を抱え、ただでさえ外出もままならない状況。「買い出しに行く余裕もありませんし、当日の準備も難しいです」と必死に訴えましたが、義母はまったく聞く耳を持ちませんでした。
「仕事もしていない専業主婦なんだから、家にいて暇でしょ?」
「昔は私も、宴会の時は率先して働かされたものよ。力仕事は若いお嫁さんの役目でしょ?」
悪びれもせずそう言い放つ義母の言葉に、私は言葉を失いました。昔の苦労をなぜ今、私に押し付けようとするのでしょうか。双子育児の大変さを微塵も理解しようとしない態度に、悲しさと怒りが入り混じり、どうしていいか分からない葛藤で胸が押し潰されそうになりました。
限界を迎えた私。正直な気持ちを伝える決断
後日、雨の予報が出たことでバーベキューは室内での宴会に変更されましたが、買い出しや準備の負担が私にのしかかっている状況は何も変わりませんでした。
何度断っても、「あなたが段取りをしないと親戚の交流が台無しになる」「嫁としての立場がなくなるわよ」「こういう席のことは、この家のことをよく分かっている嫁がやるものなの」と強引に押し切ろうとする義母に私は思わず言葉に詰まりました。
義母の言う“嫁がやるもの”という理屈に、どうしても引っかかりがあったのです。
そもそも、嫁がやると言うのなら、義母もまた嫁の立場のはず。
そこでこれ以上対応できないと感じた私は、親戚づきあいの事情にも詳い叔母に相談することにし、義母には「了解です♡」とだけ返信しました。
そして叔母には、「義母から、今月の親戚の宴会準備は私がやるようにと言われました。でも、双子の育児で手が離せず、準備も参加も難しい状況です。『こういう席のことは、この家のことをよく分かっている嫁がやるもの』と言われたのですが、私はまだ嫁いで日も浅く、親戚づきあいのこともよく分かっていなくて……」
「今回は私は準備はおろか参加もできないのですが、どうしたらいいでしょうか? 本当に申し訳ありません」と伝えました。
すると叔母は、
「生後半年の双子がいるのに、そんなの無茶よ。私からほかの親戚にも話しておくから、あなたは家で休んでいなさい」と、すぐに状況を理解してくれたのです。
さらに叔母は、「“嫁がやるもの”と言うなら、お義母さんだってこの親戚の中では嫁の立場でしょうに」
とあきれたようにこぼしました。
誰も来ない宴会。義母が直面した思いがけない現実
宴会が予定されていた当日の夜。私がギリギリにやってきて料理を作ると思い込んでふんぞり返っていた義母から、ものすごい剣幕で電話がかかってきました。
「ちょっと!あんたも来ないし、親戚も誰も来ないじゃない、どういうことなの!?」
どうやら親族の誰一人として義母の家に現れなかったとのこと。
実は、叔母さんから私の状況を聞いた親族たちは、生後半年の双子を抱える私にすべての準備を押し付けていた義母の横暴さに驚き、ボイコットする形で欠席していたのです。
もともと、義母が頻繁に企画する強引な集まりに、親族の皆さんも少なからず負担を感じており、平日夜の開催という無謀なスケジュールも相まって、「お嫁さんにそこまで無理をさせるなら、今回はやめましょう」「私たちも平日は仕事で厳しいから」と、私の状況を気遣って自然と足並みがそろったようでした。
「嘘よ!みんな楽しみにしていたはずなのに!あなたが余計なことを言うから!」と怒り心頭の義母でしたが、その後、叔母さんをはじめとする年長の親戚から「いくらなんでもやりすぎだ。周りの迷惑も考えなさい」と直接たしなめられたそうです。義母は自分が良かれと思ってやっていた「おせっかい」が、実は周囲を困らせていたという現実に、初めて直面することになりました。
無理のない関係で築く新しい距離感
この一件以来、義母から頻繁に開催されていた大規模な親戚の集まりは、年に1、2回程度へと激減しました。今では、親族の誰かが負担を強いられるような宴会はなくなり、皆が無理のない範囲で、小規模に集まる穏やかなお付き合いへと変わっています。
義母は少し寂しそうにしていると風の噂で聞きましたが、自分の行動を振り返る良い機会になったのではないかと思います。私自身も、義母からの理不尽な要求に怯えることなく、夫と二人三脚で双子の育児にしっかりと向き合える平穏な日常を取り戻すことができました。
嫌なことは無理をせず、周囲に助けを求めたり、正直な状況を伝えたりすることの大切さを、今回の一件で深く学びました。今はただ、すくすくと育つ子供たちの笑顔を守れることに、心からホッとしています。
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育児で精一杯の時期に、周囲からの理解を得られないのはとてもつらく、孤独を感じてしまうものですよね。しかし、自分と子供の生活や心身の健康を守るためには、勇気を出して周囲の協力を仰ぐことも立派な選択です。一人で抱え込まず、 SOSを出せる環境づくりを大切にしていきたいですね。
【取材時期:2026年4月】
※本記事は寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。