そんな私を困らせていたのが、義姉でした。義姉は保育園に入れなかった3歳の娘を、何度も私の家に預けに来ていたのです。最初は「困っているなら助けたい」と思って引き受けていました。でも、そのうち少しずつ違和感が積み重なっていきました。
当然のように預けていく義姉
義姉は、娘を預けに来るたびに、どこか当然という顔をしていました。着替えやおむつは持ってきても、お昼ごはんやおやつはほとんどなし。「家にいるんだから、何とかなるでしょ」と言われたこともあります。
3歳の子を見ながら仕事をするのは、想像以上に大変でした。まだ一人で静かに遊び続けられる年齢ではなく、少し目を離すと「見て」「一緒にやって」と寄ってきます。こちらも仕事中なので相手をしきれず泣かせてしまうこともあり、そのたびに申し訳ない気持ちになりました。
最初は「16時には迎えに来る」と言っていたのに、いつの間にか17時、18時になることも増えていきました。週1回の約束だったのに、それも気づけば週2、3回と増えていき、私はだんだん負担に感じるようになっていました。
兄に相談したら
あるとき、迎えに来た義姉の様子に違和感を感じるようになりました。ばっちりメイクをして、明らかに仕事帰りには見えない服装の日が何度もあったのです。もちろん職場によって服装は自由ですが、なにかおかしいと思い、私は兄に電話をしました。
すると「おー久しぶり! 娘と最近会ってないだろう? たまには顔を見にきたらどう?」と言うのです。なんと義姉は、私に娘を預けていること隠していたのです。
そこで私は、これまでのことをすべて話しました。
兄はしばらく黙ったあと、「次に預ける日が決まったら、連絡してくれ。少し確認してみる」と言いました。
行き先を知ってしまった日
次の週、義姉はいつものように娘を預けに来ました。「今日もちょっと仕事が長引くかも~!」と言い残して、急ぐ様子で出ていきました。
そのあと、私は兄に連絡をしました。
兄が義姉の後を追ったところ、隣町のショッピングモールで見知らぬ男性と合流したそう。二人で買い物をしたあと、カフェに入っていくところまで見て、兄は私に連絡してきました。
私は言葉を失いました。
これまで、困っている義姉を助けているつもりでした。でも実際には、良いように使われていただけだったのです。これにはさすがに腹が立ちました。
兄と一緒に話をした
その日の夜、兄がうちに来て、義姉も呼んで話をしました。
義姉は最初、「たまたま知り合いに会っただけ」と言い訳していましたが、兄が見たことをそのまま伝えると、黙ってうつむきました。
私もずっと言えなかったことを、そこで初めて口にしました。
「私は託児所じゃないよ。仕事をしながら子どもを見るのは、本当に大変だった」
「困っているなら助けたいと思ってた。でも、遊びに行くために使われていたなんて、さすがに受け入れられない」
義姉はしばらく何も言えない様子でうつむいていました。そして小さな声で「本当にごめんなさい」「仕事だと言えば預かってもらえると思ってしまった。甘えていたと思う」そう言って頭を下げました。
その後のこと
その後、兄夫婦は何度も話し合いを重ねたようです。詳しいことは聞いていませんが、兄からは「夫婦で向き合っていくことにした」とだけ連絡がありました。
あれから私は、義姉と以前のように顔を合わせる機会は減りました。ただ、姪はときどき兄と一緒に遊びに来てくれることがあります。以前のような形で預かることはありませんが、会えば相変わらず元気で、少し安心しています。
在宅勤務だからといって、何でも引き受けられるわけではありません。あのとき、違和感を見過ごさず、兄にきちんと伝えてよかったと思っています。自分の仕事も生活も守るためには、言いにくくても、無理なことは無理だとしっかり伝える大切さを、あらためて感じた出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。