

突然訪れた、試される瞬間
ある日、保育園から帰ってきた息子が、突然トイレのドアを開けました。私はちょうど、経血のついたナプキンを替えているところでした。
「ママ、大丈夫? 痛いの?」
そう聞かれた瞬間、胸がドキッとして言葉に詰まりました。ごまかしたほうがいいのか、きちんと伝えたほうがいいのか。ほんの一瞬迷ったものの、以前に読んだ性教育の本の言葉を思い出したのです。
「特別な言い方をしなくていい。事実を、短く」
私は深呼吸をして、生理のことや子宮のことを、できるだけわかりやすい言葉で伝えました。やりとりそのものはほんの数十秒です。ただ、私にとっては、とても大きな選択の場面でした。
息子が教えてくれたこと
説明を聞いた息子は、少し考えてから、あっさりと「そうなんだー!」と言いました。
そして何事もなかったかのように、お気に入りのおもちゃがあるリビングへ戻っていったのです。拍子抜けするほど自然な反応で、怖がる様子も、面白がる様子もありませんでした。
その姿を見て、子どもにとって体のことは、ただ「新しい知識の1つ」なのかもしれないと感じました。そこに恥ずかしさや特別な意味を重ねてしまうのは、大人のほうなのかもしれません。淡々と伝えるだけで、受け止め方はこんなにも違うのだと気づかされました。
息子の後ろ姿を見ながら、少し肩の力が抜けたような気がしました。
動揺していたのは大人のほうだった
その日の夜、仕事から帰ってきた夫に、息子は開口一番こう言いました。
「ママね、血が出てるけど痛くないんだってー!」
その瞬間、夫は固まり、私は思わず苦笑い。でも、息子はとても誇らしげな表情をしていたのです。隠すような話でも、こそこそするような話でもなく、自分が知ったことをそのまま伝えただけなのでしょう。
その様子を見て、恥ずかしいという感覚は、最初からあるものではないのかもしれない、と思いました。まっすぐな言葉で話してくれた息子が、その夜はいつもより少し頼もしく見えました。
生理について伝えるタイミングは、日常の中で突然やってきました。そのときどう向き合うかは、親によって選択が異なるものです。私の場合は隠さず、淡々と事実を伝えましたが、その結果、体の話は怖くも恥ずかしくもならないとわかりました。純粋に受け止めてくれた息子の姿に、この選択は間違っていなかったと、励ましてもらえた気がしました。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
著者:いとうみゆう/2020年生まれの6歳の男の子、2024年生まれの2歳の女の子を子育て中のママ。看護師や保健師として医療機関や高齢者施設で勤務。自身の経験をもとに妊娠、出産、育児の体験談を執筆。
作画:まっふ
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