容赦なくラテアートを混ぜる私
20代前半だったころのことです。付き合い始めて間もない彼と、おしゃれなカフェに入りました。私と彼が注文したカフェラテには、かわいい雪だるまと、アルファベットのメッセージが添えられていました。
私は「わあ、かわいい!」と喜び、すぐにスプーンでぐるぐると混ぜました。当然、雪だるまは一瞬にして茶色い渦の中に消え、アルファベットの文字も解読不能に。私は気にせずに「温まる~」とほっこりしていました。
隣に座っていた彼が…
そんな私の隣で、彼が信じられないものを見るような顔をしていることに気がつきました。彼は「それ写真とか撮らないの?」「かわいいって言ったのにすぐ混ぜるんだなって。なんか…すごいね(笑)」と言っていて……。
彼の「すごいね」には、明らかに「女子力がない」という呆れたニュアンスが含まれていました。私は途端に気まずい気持ちに。
カフェにいた周りの女性を見ると、多くの人がラテアートをいろんな角度から撮影していました。
「映え」を演じることに疲れて
その日以来、私は彼に嫌われないよう「丁寧で女の子らしい彼女」を演じるように。料理が運ばれてきてもすぐに食べず、「わあ、おいしそう!」と写真撮影をしました。出されていた料理をすぐに食べたいという気持ちを抑え、私は写真を撮ることに必死になっていました。
ところが、そんな無理が続くはずもなく……。結局、彼とはお別れ。
彼と別れた後、私は女友だちといろいろなお店巡りを楽しみました。仲の良い友人だったため、気をつかうこともありませんでした。キラキラした映えそうな料理がきても、写真も撮らず豪快に食べる私の姿を、友だちは「あなたらしいよね~」と笑ってくれました。
ラテアートはすぐに混ぜてもいいし、温かいものは温かいうちに食べていい。映えを気にするよりも、食べる温度を大切にできる友だちの存在が、本当に貴重でありがたいと思えましたし、そんな私の姿を「ありえない」と思わない人と出会いたいと感じた経験でした。
著者:新谷けご/40代女性・2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
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