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義姉「離婚届送ったからサインして弟と別れろ!」私「とっくにしてますが…?」専業主婦の私を見下す義姉と夫の哀れな末路

「ねぇ、ちょっといいかしら」

その着信が来るたびに、胸の奥がずんと重くなるようになったのは、結婚して2年ほどたったころでした。義姉の声を聞くだけで、喉の奥が詰まるような感覚がしていたのです。

その日も、また始まるのだろうと思いながら、私はスマートフォンを耳に当てました。電話に出るだけなのに、少し身構えてしまう自分がいました。

義姉は、弟である夫のことをとても大切にしている人でした。

 

「この前、家に行ったとき、夫の部屋の机の周り、ホコリがすごかったわよね。あれ、どういうこと?」

 

電話越しの声は、いつも通りきつい口調でした。

 

夫の部屋のホコリが、すべての始まりだった

私は「夫が自分の部屋は自分で管理したいと言っていて、なるべく入らないようにしているんです」と説明しました。すると義姉は、間髪入れずに言いました。

 

「専業主婦なのに? 家にいる時間はあるでしょう」
「夫の世話もできないなんて、甘えすぎじゃない?」

 

私が専業主婦になったのは、夫の希望でした。「家のことを任せたい」と言ったのは夫です。でも、それを義姉に伝えても意味がないことは、結婚当初からわかっていました。私の言葉はいつも説明ではなく、言い訳として処理されてしまうのです。

 

「私は仕事をしながら家のことも全部やってきたのよ」
「家にいるなら、それくらいやって当たり前でしょう」

 

私は黙って聞いていました。

 

最初のころは夫に相談もしていました。「義姉とうまくやっていけない」と伝えたこともあります。でも返ってくるのは、「悪気はない」「そのうち慣れる」という言葉ばかりでした。夫が義姉に、きつい言い方をやめるよう言ってくれないなら、私が我慢するしかない。そう思っているうちに、気づけば3年が過ぎていました。

 

ただ、その間も一つだけ続けていたことがありました。義姉に言われたことを、日付と一緒に書き残しておくことです。何かに使おうと思っていたわけではありません。ただ、自分の受け止め方が間違っていないか確かめたくて、私は記録を残していました。

 

 

夫が義姉に話していた本音

ある日の電話で、義姉は何気ない調子でこう言いました。

 

「弟、この前言っていたわよ。結婚相手を間違えたかもしれないって」

 

一瞬、言葉が出ませんでした。そんな話を夫から直接聞いたことは一度もなく、義姉の口から知らされたことが、何より苦しかったのです。さらに義姉は続けます。

 

「料理の味付けも変えたほうがいいわよ。濃いって言ってたから」
「うちの弟には、もっと素直で穏やかな子が合っていると思っていたのに」

 

その言葉を聞いたとき、胸の奥に重いものが沈んでいくようでした。食事を作るたびに、夫の好みに合わせようと考えていた時間まで、否定されたような気がしたのです。

その夜、私は夫に確認しました。すると夫は、「少し愚痴を言っただけ」と笑ってごまかそうとしました。

 

「不満があるなら直接言おうって、結婚したときに約束したよね」

 

そう言うと、夫は不機嫌そうに言いました。

 

「そういうところが疲れるんだよ」

 

その一言は、思っていた以上に深く刺さりました。言い返すより先に、ああ、この人はもう私と向き合うつもりがないのだという気持ちが広がりました。

 

それから、夫婦の会話は急に減りました。私への不満は私ではなく義姉に伝わり、義姉が代わりにそれを私にぶつけてくる。そんなゆがんだ形が、いつの間にか当たり前になっていたのです。

 

 

義姉主導で進みかけた離婚話

その後も関係は改善せず、夫の帰宅はだんだん遅くなっていきました。こちらが体調や帰宅時間を気にかけても、「残業」「出張」と短く返されるだけ。家の中にいても、夫はもうこちらを見ていないようでした。

 

それから1カ月ほどたったころ、夫ははっきりと言いました。

 

「もう限界だと思う」

 

そして続けて、「姉が間に入るから、直接はもう話さなくていいと思う」とも言いました。離婚の話し合いすら、私ではなく義姉を通して進めるつもりなのだと、そのときようやくはっきりわかりました。

 

私は、これ以上同じ家にいても意味がないと思い、「実家に戻るね」とだけ伝えて荷物をまとめました。夫はあっさりとうなずき、「わかった」とだけ答えました。その軽さが、かえって胸に残りました。

 

数日後、実家に速達で離婚届が届きました。差出人は義姉でした。そのころには、私ももう黙って言われるままになるつもりはありませんでした。手元の記録を整理し、専門家にも相談していました。

 

電話もすぐにかかってきました。

 

「離婚届、速達で送ったから、早くサインしてちょうだい!」

「弟に養われてるだけの専業主婦嫁はいらないんだから、さっさと別れなさい!」

 

そこまで言って、義姉は一拍置きました。

 

 

 

「とっくにしてますけど……?」

 

私は静かに言いました。

 

沈黙がありました。

 

「え?」

 

「離婚の話は、もう別の形で進めています」

 

電話の向こうで、義姉が息をのむ気配がしました。

 

「……別の形って、どういうこと?」

 

「弁護士に相談して、正式に進めています」

 

「……弁護士?」

 

「はい。不安な気持ちを話したら、『こういう場合に何を確認しておいたほうがいいか』を丁寧に教えてくれました」

 

私は一度、息を整えてから続けました。

 

「義姉に言われた言葉を読み返しているうちに、『もっと素直で穏やかな子が合う』という一言だけが、どうしても引っかかったんです。まるで、すでに別の誰かと比べられているように感じました」

 

「それで家計の決済明細を確認しました。出張と言っていた日の支出に不自然な点があって、帰宅時間や外泊の記録と照らし合わせると、説明のつかないことがいくつもあったんです。一つひとつは決定打ではなくても、重ねると、そういうことなのだとわかりました」

 

義姉が何か言いかけましたが、私はそのまま続けました。

 

 

「弁護士に確認しながら進めたので、私が勝手に踏み込んではいけない部分は避けました。離婚の話も、もう弁護士を通して正式に動いています。お義姉さんが送ってくださった離婚届より先に、こちらは別の形で進めていたということです」

 

電話口から、しばらく音がしませんでした。

 

「……浮気、してたってこと?」

 

やっと絞り出したような義姉の声に、私は静かに答えました。

 

「調べた限りでは、そういうことです。慰謝料の請求については、弁護士から正式に連絡が行きます。金額や条件は今後の話になりますが、少なくとも私だけが責められる話ではないと言われました」

 

「そんな……」

 

さっきまでの勢いは、もうありませんでした。

 

「一つ、お礼を言いたかったんです。私が調べようと思ったのも、もとをたどれば、お義姉さんが『素直で穏やかな子が合うと思う』という夫の言葉を教えてくれたからです。あの一言がなければ、そこまで確認しようとは思わなかったかもしれません」

 

「……じゃあ、私のせいってこと?」

 

「浮気したのは夫ですから、そういうわけではありません。でも、少し皮肉ですよね」

 

そのあと、義姉は完全に黙り込みました。怖さがなかったわけではありません。でも、もう黙って受け止めるだけでは終わらせたくありませんでした。

 

数日後、弁護士からの連絡を受けた夫から電話がありました。戸惑ったような声で、「話し合いはできないのか」と言ってきましたが、私はこう返しました。

 

「直接向き合うつもりがないなら、こちらも弁護士を通して進めます」

 

それだけ伝えて、電話を切りました。

 

結局、夫には慰謝料の請求が進むことになり、不倫相手からも距離を置かれたそうです。さらに、義姉を通して離婚を進めようとしていたことが親族にも伝わり、夫は実家でも肩身の狭い思いをすることになりました。

 

義姉にも責任はありましたが、いちばん問われたのは、夫自身の不誠実さだったのだと思います。

 

 

離婚後、私は以前の職場に復帰しました。環境が変わったことで、ようやく自分の感覚を少しずつ取り戻していった気がします。

 

義姉の言葉を受け続けるうちに、私はいつの間にか、自分の受け止め方が間違っているのではないかと疑うようになっていました。専業主婦であることにも、必要以上に後ろめたさを感じていたのだと思います。でも実際には、違和感は最初からずっとそこにありました。見ないふりをしていただけでした。

 

あの日まで、私は夫の好みに合わせて味付けを変えようとしていました。でも今は、自分が食べたいと思う味で、自分のために食事を作っています。それだけのことなのに、張りつめていたものが少しほどけたようで、前よりずっと気持ちがラクになりました。

 

【取材時期:2026年3月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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