高校卒業直前、突然の追放
高校の卒業式を控えたある日。母は突然、冷たく言い放ちました。
「今日中にこの家を出ていきなさい」
私はすぐに理由を察しました。第一志望の大学に落ち、別の大学への進学を決めたばかりだったからです。恐る恐る尋ねると、母は迷いなく言いました。
「そうよ。あんたは負け犬の人生を自分で選んだの」
「あんたみたいな出来損ないはいらないの」
ショックは大きかったですが、どこかで「これでやっとこの家を出られる」という気持ちもありました。
ただ、気がかりだったのは弟のA男のこと。母はA男にも、同じように高い理想を押しつけ続けていたからです。
5年後、弟との再会
家を出てからも、私はA男とだけはこっそり連絡を取り合っていました。A男は昔から素直で、母の期待を一身に背負いながらも、兄である私を慕ってくれていました。
そんなA男から、ある日うれしい報告がありました。第一志望だった大手商社から内定をもらったというのです。そのお祝いに、久しぶりに2人で食事をすることになりました。
ところが、その席でA男のスマホに母から何件もメッセージが届きました。
「やっぱりあなたは違うわね」
「あの長男とは大違い」
その文面を見て、私は胸が痛みました。ですが、A男は静かにスマホを置いて「もう母さんにちゃんと言うから」と言ったのです。
弟が母に伝えた本音
A男はその場で母に返信しました。
「兄さんは、今しっかり自分の力で生きている」
「僕もこれからは、自分の人生を自分で選ぶ」
私は大学進学後、自分の得意分野を生かしてIT関連の仕事に進み、現在は海外拠点で働いています。母が求めていた「学歴」とは違う形かもしれませんが、自分で道を切り開いてきました。
弟は続けて母にこう送りました。
「もう母さんの期待に応えるためだけに生きるのはやめる」
その言葉を聞いて、私はA男がようやく母の価値観から離れようとしていることを感じました。
最後に選んだ距離感
その後、母は私にも連絡してきました。ですが内容は謝罪ではなく、「A男に私の面倒を見てもらうよう説得して」というものでした。以前から母は「将来は弟に面倒を見てもらう」と口にしていたことがあり、その考えは変わっていなかったようです。
私は静かに伝えました。
「5年前に家を出されたときから、もう親子としての関係は終わっている」
母に対して複雑な思いはあります。けれど、私もA男も、それぞれ違う人生を歩む1人の人間です。これから先、母が本当に自分の価値観を見つめ直してくれる日が来たなら、そのときまた向き合えるのかもしれません。
今はまず、私たち兄弟が自分の人生をしっかり歩いていくことが何より大切だと感じています。
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親の期待が大きすぎるあまり、子どもが自分の人生を見失ってしまうこともありますよね。今回のように、兄弟それぞれが自分の意思で人生を選び取れたことは、大きな一歩だったのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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