職場で標的にされる後輩
一生懸命な後輩は社内でかわいがられていた一方で、営業成績が伸び悩んでいたAは評価され始めた後輩に嫉妬していました。
「おい、社会人ならもっとマシなスーツを着ろ。毎日貧相なメシばかりで惨めにならないのか?」
Aは事あるごとにマウントを取り、後輩がお姉さんと2人暮らしだと知った上で、あえて嫌味を言っていて……。僕がたしなめても「甘やかすからなめられるんだよ」と笑うだけでした。
僕が後輩を放っておけないのには理由がありました。僕には、地元に年の離れた弟がおり、不器用ながらも頑張る後輩の姿が、つい世話を焼いてしまう弟と重なって見えたのです。 「作りすぎたから食べてよ」とおかずを差し入れたり仕事のフォローをしたりしていると、今度はAからの強い風当たりが僕にも向くようになったのです。
同僚の心ない言葉とすれ違う思い
ある日の仕事終わり。会社のロビーで後輩の相談に乗っていると、後輩を迎えにきたお姉さんが駆け寄ってきました。彼のお姉さんとは、以前同じように職場に来ていたところで挨拶をしたことがありました。彼女は、弟思いのやさしい方です。
僕らが話していると、タイミング悪くAが通りかかり、意地悪な笑みを浮かべて言い放ちました。「なるほど! お前がいつもこいつを庇うのは、このきれいなお姉さんとお近づきになるためか。計算高いな!」と。
Aの単なる嫌がらせでしたが、お姉さんはAの発言に驚き、「…私に近づくために、弟を利用していたんですか?」とショックを受けた表情で去ってしまいました。
後日、後輩の頼みでお姉さんとカフェで会うことに。僕は、後輩が地元の弟と重なりつい世話を焼きたくなってしまうことや、Aの言葉で傷つけたことを謝罪しました。彼女も誤解だとわかってくれ「見返りを求めずに助けてくれる先輩がいると聞いていたのに、ひどい言葉を真に受けてごめんなさい」と彼女はほっとしたようにほほ笑んでくれました。
そして反撃のとき
一方、職場ではAの嫌がらせがエスカレート。ある日、僕と後輩が進めていた重要案件で、先方から「見積もり提出を3日早めてほしい」と電話がありました。しかし、電話を受けたAは僕らに期限変更を伝えず、「僕らが遅れたタイミングで自分が救世主として資料を出し、手柄を奪う」という計画を立てていたようです。
ところが、Aがニヤニヤしながらメモを隠す不審な様子を後輩が見ていました。僕たちにAから連絡がないことを不思議に思った後輩が先方に確認したことでAの罠に気づき、僕らは無事に前倒しで提出を完了。
そして、本来の提出期限前日の朝礼。Aは上司たちの前でわざとらしく声を上げました。 「あの重要案件の見積もり、今日が期限ですよね? もし間に合わないなら、俺が作った見積もりを…」勝ち誇ったAに対し、僕は「昨日、先方に提出済みだよ。素晴らしいスピードだとお褒めの言葉もいただいた」と冷静に対応。
続けて、「先方からの『期限変更』の伝言、伝え忘れてたよね? 意図的に連絡を滞らせたことやこれまでの暴言の記録は、全部部長と人事に提出済みだから」。
予想外の反撃だったのか、Aは顔面蒼白に。社内での陰湿なパワハラと業務妨害が明るみに出たことでAは厳重注意を受け、以降僕たちに絡んでくることはなくなりました。
新たに紡ぐ家族の絆
その後は職場環境が劇的に改善し、後輩は本来の実力を発揮して、今では頼もしい中堅社員として第一線で活躍しています。
そして僕自身も、この出来事をきっかけにお姉さんと交際をスタートすることに! 今では休日に僕の弟も交えてみんなで食事をするなど、にぎやかで幸せな日々を送っています。
自身の保身や嫉妬から、心ない言葉をぶつけられている人を見るかもしれません。そんなときは今回の件のように見て見ぬふりをせず、小さなことでも勇気を出して手を差し伸べられる人間でありたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!