ドッキリで自滅!?
ある月の25日、社員旅行初日。僕たちは朝から空港に集合していました。参加者がほぼ揃い、あとは部長を待つだけというタイミングで、部長から電話がかかってきたのです。
部長はクスクスと笑いながら「今はもう空港か? お前にドッキリだよ! 先月、社員旅行は25日からって連絡したけど、あれは冗談。本当は明日の26日からなんだよ。驚いたか?」と言いました。
「えっと、もう全員空港に来ていますが……」と返すと、部長は「何を言っているんだ? そんなはずないだろ。これだから高卒は。日付もわからないのか!」と悪態をついてきました。
どう返せばいいのか迷っていると、その場にいた社長が僕に「代わって」と声をかけました。そして受話器に向かって、落ち着いた声でこう伝えたのです。
「部長、社員旅行は今日からです。参加者は全員、空港に集合しています」
その瞬間、電話口の空気が変わりました。
「えっ……社長? 今日からでしたか?」
どうやら、僕にいたずらを仕掛けたつもりが、日程を勘違いしていたのは部長自身だったようです。結局、部長は出発時間に間に合わず、社員旅行には参加できませんでした。
社員旅行で知った社長の一面
搭乗前に社長と少し話す機会があり、僕が「さっきは助けていただいて、ありがとうございました。正直、かなり驚きました」と声をかけると、社長は「びっくりしましたよね。でも、せっかくの旅行ですから、まずは楽しみましょう」とほほえんでくれました。
普段は冷静で厳しい社長ですが、その日は観光や食事の場で社員たちと気さくに話し、楽しそうに笑っている姿が印象的でした。
旅行の終盤、お土産を見て回っていたときのことです。僕が「参加できなかった部長や欠席した社員にもお土産を買って行きましょう」と声をかけると、社長は少し驚いたように目を丸くしました。そして、「部長の分まで考えるんですね。あなたって、まわりの人を気づかえる人なんですね」と褒めてくれたのです。
僕はこれまで知らなかった社長の一面に触れた気がして、思わずドキッとしてしまいました。
旅行後に起きた波乱
旅行の翌週に出社すると、僕の担当先のいくつかでトラブルが起きていたことがわかりました。社員旅行に参加できなかった部長が、急きょ一部の案件対応に入っていたようです。いつもは僕が担当している取引先だったため、情報が十分に共有されないまま話が進み、認識のズレが生まれてしまったようでした。
僕はすぐに取引先へ連絡。これまで築いてきた信頼関係もあり、大きな問題にはならずに済みました。
その後、取引先への対応が終わったことを部長に報告すると、部長は笑いながら「高卒のくせにフォローはできるんだな」と、またしても僕をバカにしてきたのです。そんな態度を社長は見過ごしませんでした。
ある日、社長は「個人的な感情を職場に持ち込むのはやめてください。部下への接し方も含めて、あなたは自分の振る舞いを改善してください」と、部長を厳しく注意したのです。そして社長は、職場環境の見直しに乗り出しました。
職場に訪れた変化
その後、部長はこれまでの言動やマネジメントのあり方を問題視され、担当業務や立場が見直されることとなりました。社内の体制も整えられ、会社は以前より働きやすくなっていきました。
そんなある日、僕が「部長との件では本当に助けていただきました。これからもしっかり頑張ります」と改めて社長にお礼を伝えると、社長は「期待しています。これからも一緒に頑張りましょう。少し落ち着いたらごはんでも行きましょうね」とほほえんでくれたのです。
彼女の柔らかな表情に、僕は思わず胸が高鳴りました。
今回の出来事を通して、誠実に仕事を積み重ねることや、相手を思いやって動くことは、ちゃんと誰かが見てくれているのだと感じました。これからもまじめに努力を重ねながら、この会社で社長と一緒に頑張っていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!