予想外のプロポーズ
ディナー終盤、おいしい料理を堪能した私はとても満足していました。ちょうどそのころ、私たちは子どものことや結婚についてよく話していたこともあり、その日の私は「今日は絶対にプロポーズだ!」と思い込んでいたのです。期待で胸を膨らませながら、その瞬間を待っていました。
ところが、デザートの時間になっても、それらしい様子はありません。ついには会計のときを迎え、彼は何事もなかったかのように支払いを済ませました。そのまま車に乗り込み、まっすぐ帰宅する流れに。私は期待していただけに悲しくなってしまい、自宅に着くころには涙がぽろぽろこぼれていました。
そんな私を見て、彼は急に慌て始めました。そして、私が車を降りようとシートベルトを外したそのときです。サイドブレーキの横に、小さな箱がちょこんと置かれているのが見えました。彼はその箱を開けながら、「ごめんね。本当はお店で渡すつもりだったけど、いかにもって感じで気づかれそうだったから」と照れくさそうに笑い、まさかの車の中でプロポーズしてくれたのです。
悲しくて泣いていたはずなのに、今度はうれしさと驚きで頭が真っ白になり、私はさらに大泣きしてしまいました。思い描いていたような華やかな演出ではありませんでしたが、いろいろな意味で忘れられないプロポーズになりました。
私はその場で「お願いします」と返事をしました。結婚して3年が経った今でも、夫はこのときの話をたびたび持ち出して笑います。友人のSNSを見て、私も理想のプロポーズに憧れていた時期がありました。けれど今は、きれいにまとまりすぎた思い出より、少し予想外で、私たちらしく笑い合える出来事のほうが心に残るのかもしれないと感じています。
著者:坂浦ゆきこ/30代女性・一児の母で現在は双子妊娠中。マイブームは韓国ドラマ鑑賞。趣味は水泳とアウトドア系全般。
イラスト:わかまつまい子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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