会場が静まり返った「タブーの白」!
待ちに待った結婚式当日。こだわって選んだ純白のウエディングドレスに身を包み、胸を躍らせていました。しかし、披露宴会場の扉が開き、入場した私たちの目に飛び込んできたのは、ひときわ目立つ真っ白なパーティードレスを着た同級生の姿だったのです。最近は結婚式の服装マナーも多様化しているとはいえ、花嫁と同じ白いドレスは避けるのが暗黙のマナー。
「いくらなんでも、結婚式で白は非常識だよ……! 着替えるか何か羽織ったほうがいいって!」隣の席だった親友が見かねて小声で注意しているのが見えました。しかし、友人は悪びれる様子もありません。
「え? これ、白じゃなくてオフホワイトだよ? こういう色が私に似合うから、SNSで映えるんだよねぇ♡」これに同じテーブルの友人たちは苦笑い。自分が目立つことしか考えていないタブーに、会場にはなんとも言えない気まずい空気が漂っていました。
お祝いそっちのけで撮影会!?
驚いたのはそれだけではありません。後で受付をお願いしていた後輩から聞いた話によると、彼女は「ご祝儀袋を買うのを忘れちゃった」と言って、バッグの中から小さな封筒を取り出したそう。そして、「お財布を見たら5千円しか入ってなくて! でも、お料理代くらいにはなるよね? ごめんねー!」と、その場でお金を入れて渡してきたと言います。
また、式中の彼女は、自分のSNS用の写真を撮ることに夢中でした。感動的な謝辞のシーンでもお構いなしにスマートフォンを掲げ、友人たちには「私のこと撮って」と終始カメラマン扱い。ちゃっかり新郎側のゲストと連絡先まで交換し、誰よりも早く会場を後にしてしまいました。
しかし、式が終わった後、たくさんの友人たちが私を気遣ってくれました。お見送りの際に「素敵な式だったよ」「あの子のことは残念だったけど、今日は幸せな姿が見られてうれしかった」と、温かい声をかけてくれたのです。私は思いやってくれる本当の友人たちに恵まれているのだと、改めて実感したのです。
お見送り後に現れたまさかの人物
無事にお見送りが終わり、残ってくれた親友と一緒にロビーで荷物の整理をしていました。そこへ突然、先ほど早く帰ったはずの同級生が、気まずそうな顔をして戻ってきたのです。その後ろにはなんと、険しい表情をした彼女の母親の姿がありました。
「本日はおめでとうございます。それなのに、娘が友達の結婚式にこんな非常識な格好で出席してしまい、本当に申し訳ありません……」
どうやら彼女は、着てきたドレスが歩きづらかったため、最寄り駅の近くまで母親に車で迎えに来てもらっていたようです。しかし、待ち合わせ場所に現れた娘の真っ白なドレス姿を見た母親は激怒。そのまま娘の腕を引いて、式場まで謝罪に戻ってきたのでした。深々と頭を下げる母親の横で、同級生はバツが悪そうにうつむいています。
そして、式場のロビーに落ちた雷
母親の謝罪を聞いて、一緒に荷物の整理を手伝ってくれていた親友が、困ったような表情で口を開きました。「実はお母さん……彼女、式の間も新郎新婦のお祝いそっちのけだったんです。周りが止めるのも聞かずに、私たちもどう注意していいか、本当に困っていたんです」これに母親も絶句し、顔を真っ赤にして震え上がりました。
「……お祝いの席でなんて非常識な振る舞いを! 自分が目立てばそれでいいのか! あんたもちゃんと謝りなさい!」母親の雷が落ち、ロビーに厳しい声が響き渡りました。親からきつく叱責され、自分の身勝手な行動がすべて明るみに出たことで、同級生はついにハッとした表情を浮かべました。
「……ごめん、自分のことしか考えてなかった。本当にごめんなさい」そう謝る彼女の姿に、少しだけ悔い改める様子が見えた気がしました。これを機に彼女も自分の行動を見つめ直してくれることを期待して、私はその謝罪を受け入れたのでした。
◇ ◇ ◇
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉の通り、いくら友人であってもマナーや気づかいは欠かせません。たった一度の自己中心的な振る舞いが、長年築いてきた信頼を根底から崩してしまうこともあります。とくに冠婚葬祭といった公の場での態度は、その人の本質として周囲の目に焼き付くもの。相手の立場を考えた行動を心がけることが、豊かな人間関係を築く上で何よりも大切なのだと気付かされます。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。