「未練でもあるの?」式場の廊下での再会
数年前に僕を振った元カノから結婚式の招待状が届きました。未練など当然ありませんでしたが、僕は秘書を連れて結婚式へ出席することに。実は、新郎の父が経営する会社と僕の経営するIT企業に仕事上の繋がりがあり、参列を依頼されていたのです。
受付を済ませ、僕を招待してくれた方がいる控室に向かおうと式場を歩いていると、背後から聞き覚えのある明るい声が。振り向くと、結婚式の主役である元カノと新郎でした。
元カノは「あなたに結婚式の招待状は送ったけど……。まさか本当に元カノの結婚式にくるなんて。未練でもあるの?」と、笑っていて……。
僕が「いや、そんなつもりは…」と言いかけると、元カノは新郎に腕を絡ませ「彼は大手企業に勤める部長。あなたと違ってとても優秀な人材だから」と誇らしげに言いました。新郎も「優秀な俺と比べたら、かわいそうだよ」と余裕の表情を見せている様子でした。
すると、一連のやりとりを見ていた秘書が「あれ?」と口を開きました。「そちらの新郎さん……。昨日、うちの会社の中途採用面接に来られませんでしたか?」と衝撃発言。
秘書の言葉に、新郎の顔色がみるみる青ざめて……。元カノは「え?」と驚いたようでしたが、新郎は動揺しながら「じゃあ、式に向けて忙しいんで……」と元カノを急かしてその場を去ってしまいました。
「俺は大企業の御曹司」…暴かれた新郎の嘘
式の直前、僕たちは参列を依頼してきた新郎の父がいる親族控室を訪ねました。そこには、先ほどの2人の姿も。元カノは僕たちを追い出そうと「お義父さん、この人は私の元カレで…」と義父に縋りつきました。
しかし、新郎の父は「よく来てくれたね! 彼にはいつも仕事で助けられているんだよ」と僕たちを温かく迎えてくれました。
元カノは「そんなはずない」とうろたえていて……。新郎の父は大手企業Aグループの社長。そんなすごい人物と仕事をしているなんてありえない、と思っているのでしょう。
すると、新郎の父が溜息をつきながら「息子はまた、しょうもない見栄を張ったんだね。僕は確かに社長だが、普通の中小企業の社長だ。Aグループとは何の関係もない」と説明。
どうやら元カノは新郎の「父がAグループの社長で、俺もその会社で働いている。社員からの信頼が厚く、次期社長だと言われている」という言葉を信じていたよう。動揺する元カノに、新郎の父は
「彼はただの一般社員だ。彼の見栄っ張りには困っていたんだ。取引先にも勝手にウソをついて…。これ以上問題を起こすようなら解雇も考えていて、彼にはそのことを伝えていた」と言っていました。
新郎は父から解雇される可能性も考え、焦って僕の会社へ転職しようとしていたのです。新郎の真っ赤な嘘が露呈し、元カノは愕然と立ち尽くしていました。
新婦がまさかの行動に
すると、新婦が突然、僕の元に駆け寄ってきて「私たちよりを戻しましょう!」とまさかの発言をして……。これから結婚式を挙げようとしている人が何を言っているのだと思いました。それに僕たちが別れた理由は、彼女が今、結婚式を挙げようとしている新郎を選んだからです。彼女は彼を選び、僕は振られたのでした。
「悪いけど、僕はもう君とは関わりは持たないつもりだから。新郎のお父様との関係があったから結婚式に参加したんだ。どうかお幸せにね」と伝え、僕と秘書は一礼をし、控室を後にしました。
その後の披露宴は…正直、新郎新婦や彼らの家族にとっていい思い出にはならなかったと思います。
新郎の友人代表スピーチで、彼が「父の会社で頑張っているけれど、なかなか成果が出せていないこと」「最近は転職活動を頑張っている」ということが明かされてしまったのです。その瞬間、新郎の顔は凍り付き、新郎が「成績優秀、次期社長候補」と思い込んでいるゲストたちは、衝撃の事実に騒然としていました。
プライドをへし折られた夫婦の末路
それから数カ月後、なんと僕の会社へあのときの新郎がやってきました。彼は新規事業のプロジェクトを立ち上げ、僕に協力してほしいと言います。彼の父とは懇意にしていますし、協力できることはしたい……そう思っていましたが、彼が持ってきたプロジェクトの資料を見ると、彼が提案しようとしているサービスは、他の同様のサービスをかき集めたようなもの。「いいものを作ろう」という姿勢は見えませんでした。どこか危うさも感じたため、僕は「協力できない」と伝えることに。すると、彼は悪態をつきながら帰っていきました。
その後、噂で聞いたのですが、なんと彼は僕に断られたサービスを半ば強行突破するかたちで運用開始したところ……権利侵害がわかり、大変なこととなったようです。もちろん、会社からは解雇されたようでした。そして、元カノと彼の結婚生活も長くはもたずに破綻したそうです。
一方、僕の仕事は順調で、会社もいいほうへ進んでいます。あの彼の父とも会社での取引は続けています。今回の件で、相手の肩書だけを見ていると、見栄や嘘には気がつけないのかもしれないと痛感しました。相手の本質を見極めて、信頼関係を築ける相手かの判断が大切だと思えた経験でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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