すれ違いばかりの同居生活
私たちは、生活スペースを分けた二世帯住宅で、母・妻・私の3人暮らしを始めました。共働きのため、家事や住宅ローンも協力しながら、穏やかな毎日を築いていけると思っていました。
ところが同居開始から間もなく、母は私に妻への不満を口にするようになったのです。
例えば、「A子さんの今日の服装、少し派手すぎない? 結婚したんだから、もう少し落ち着いた格好をしたらどうかしら」と、毎日妻の服装を細かくチェックしては、文句をつけてくるのです。私は、妻の様子を見ても特に気になるところはなく、「普通だと思うよ」と返しました。
すると母は不機嫌そうに、「あなたは甘いのよ」と言い放ちました。さらに、「朝だって私のほうが早く起きてる。生活スペースを分けてるからって、だらしがないのはよくないわ」「あの子は気が利かないし、嫁として失格よ」と、どんどん不満を重ねるようになったのです。
妻への不満ばかり語る母
その後も母は、私にたびたび妻への不満を話すようになりました。
「最近なんて、あいさつも冷たいのよ」
ですが実際は、A子は母を食事に誘ったり、休日には手土産を買ってきて渡したりするなど、気をつかって接していました。
それでも母は、私に対して「A子さんは感じが悪い」「本音では私のこと邪魔なんじゃない?」とA子のちょっとした言葉尻を拾っては、不満をぶつけてきたのです。一方で、A子に対しては「いつもありがとうね。無理しないでね」と穏やかに接していました。
私は次第に、母のそうした態度の違いに違和感を覚えるようになりました。
見えてきた本当の原因
決定的だったのは、私が在宅勤務の日のことでした。仕事部屋から出た私は、リビングで母がA子に強い口調で言っているのを聞いてしまったのです。
「あなた、要領が悪いのよ」
「こんなんじゃうちの嫁として恥ずかしいわ」
A子は黙って耐えていました。
しかし後日、母は私にだけ、「A子さんに怒鳴られた。私、この家に居場所がないの」と泣きながら訴えてきたのです。
その直後にA子から事情を聞き、私はようやく確信しました。母は、自分が妻を責め立てながら、私には妻の不満を吹き込んでいたことを。A子は私に心配をかけたくなくて、母からの言動をずっと我慢していたのでした。
私が守るべき相手を選んだ日
私は母と話し合いの場を持ちました。「A子にきつく当たっていたよね。どうしてあんなことを言ったんだ」と聞くと、母は最初こそ否定しましたが、やがて涙ながらに「あなたを取られた気がして、寂しかったの」と言いました。
ですが私は、はっきり伝えました。
「寂しさを理由に、人を傷つけていいことにはならない」
「僕が守るべきは、母さん中心の家じゃない。A子と築くこれからの家庭だよ」
その後、母には別の住まいへ移ってもらい、私たち夫婦は二世帯住宅を売却して、新たな住まいで暮らし始めました。母との距離はできましたが、必要な支援は続けています。ただ、以前のような同居には戻りません。
私にとって大切だったのは、親の期待に応えることではなく、人生を共に歩む相手をきちんと守ることだと、この出来事で気付かされました。
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親子であっても、結婚後は新しい家庭との距離感が大切になることがありますよね。今回のように、親への思いと配偶者を守る責任の間で悩む人も少なくないのではないでしょうか。誰か一方の言い分だけをうのみにせず、しっかり向き合うことの大切さを感じさせられるエピソードでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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