

謎に包まれた彼の家
付き合ってからしばらく経っても、私は彼の家に入ったことがありませんでした。「仕事の資料が散らかってる」「今日は洗濯がたまってる」と、彼はいつも笑顔で理由を並べては、家には入れてくれませんでした。
そんなある夜、私は彼の声が聞きたくなり電話をかけました。電話に出た彼は、「急にどうしたの? 何かあった?」と、どこか焦っているような声で……。
私が特に用事はないと伝えると、彼は早く電話を切りたそうに話を進めました。そのとき、彼の声の奥からかすかな生活音が聞こえた気がしたのです。
不自然な彼の行動
私は思わず「誰か来てるの?」と彼に尋ねました。彼は「いや、誰もいないよ」と不自然なほどに即答。
怪しく思い、さらに聞こうとしましたが、「仕事が残ってるからごめんね、また明日」と、彼は慌てた様子で電話を切ってしまいました。なんだか嫌な予感だけが胸に残りました。
数日後、彼とデートの際、待ち合わせ場所に現れた彼は、「タブレットを忘れた」とひと言。「近くだから取りに行ってくる」と自宅へ戻ってしまいました。そのとき、ふと彼が自宅へ入れてくれないこと、電話した際の生活音が気になった私。私は、帰宅する彼のあとを静かにつけたのです。
そして、彼が自宅の玄関を開けて、「俺、タブレット忘れたよね?」と玄関から部屋の中へと声をかけている様子を目撃しました。
彼はひとり暮らしのはず。誰に話しかけているの?とドキッとして……。
信じられない理由
そして、タブレットを手にした彼と目が合いました。
「なんで来たの?」と彼はひと言。
私は「中にいる人、誰?」と尋ねました。
すると、一瞬の静寂の後……「元カノ。荷物を取りに来てるだけ」と彼は言いました。
納得がいかない表情をしていたのでしょう。彼は「俺を疑うの? 信じられないなら別れようか」と別れをちらつかせてきたのです。私は迷いながらも、そのときは「信じる」と答えるしかありませんでした。
しかし数日後、彼に内緒で家の前を通ると、彼の部屋のベランダには明らかに女性物の服が。嫌な予感が現実となる光景でした。その日の夜、彼と話し合いをしたのですが、彼は「ごめん、別れよう」の一点張り。女性がいたことは確かだと思うのですが、結局、彼は最後まで何も語りませんでした。
思えば、小さな違和感は多々ありました。正直、それを見て見ぬふりをしていた自分もいたなと思っています。そう思うと、彼だけを憎むことはできず……時間が経った今も、切ない別れの出来事です。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
作画:七瀬はるみ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!