「彼女いない歴=年齢」の僕
僕はこれまで、「彼女いない歴=年齢」でした。特に困っていたわけではありませんが、恋愛にはあまり縁がなく、どちらかといえば一人で過ごすほうが気楽なタイプです。
もともと、にぎやかな飲みの場も得意ではありません。大人数になると会話に入るタイミングがつかめず、どうしても気疲れしてしまうのです。
そんな僕がその日参加していたのは、業界セミナー後の飲み会でした。仕事の付き合いでもあり断れずに顔を出したのですが、途中から別のグループも合流し、気づけばかなりの人数に。場の雰囲気も一気ににぎやかになり、いつの間にか合コンのような空気に変わっていました。
その中に、見覚えのある女性がいました。A子です。セミナーで何度か見かけたことがあり、「きれいな人だな」と思っていた相手でしたが、実際に話したことはほとんどありませんでした。
少し距離を取りながらその様子を眺めていると、周囲はすっかり盛り上がり、僕だけが浮いているような感覚でした。
王様ゲームでまさかの!?
そんなとき、誰かが「ゲームしよう」と言い出し、王様ゲームを始めることに。そして出されたお題が、「2番の人がこの場の誰かに告白」――その“2番”に当たったのがA子でした。
周囲が「誰にするの?」と囃し立てる中、彼女はまっすぐ僕を見て言いました。
「…よかったら、付き合ってください」

一瞬、頭が真っ白になりました。なぜ僕なのか、理解が追いつきません。
すると僕の同僚たちが「○○(僕)、まさか本気にしてる?」「さすが『彼女いない歴=年齢』の男w」「A子さんがお前を好きになるわけねえだろw」と大爆笑。
もちろんこれはゲームであり、冗談のはずです。それなのに、彼女の表情が妙に真剣で、なぜか目をそらせませんでした。
結局、うまく返すこともできず、「ありがとうございます」とだけ答えると、もう一度笑いが起き、そのまま話題は流れていきました。
ただのゲームのはずだったのに
店を出たあと、A子が「駅まで一緒にいいですか」と声をかけてきました。聞くと、電車の方面も僕と同じ。そのまま一緒に帰ることになりました。
電車の中で並んで立っているとき、彼女は少し迷うようにしてから言いました。
「さっきの、ああいう形でしたけど……ちゃんと話してみたいと思って」
その言葉を聞いたとき、胸の奥がざわつきました。冗談の延長ではない何かを感じたからです。
数日後、彼女から連絡があり、僕たちは改めて会うことになりました。
最初は半信半疑でしたが、一緒に過ごす時間は驚くほど自然で、無理に会話をつなげなくても居心地がよい。これまで感じたことのない安心感がありました。

しかし、「なんで僕なんだろう」――その疑問は消えないまま。それでも会うたびに、少しずつ彼女の存在が大きくなっていきました。
告白の“本当の理由”
何度か会ったある日、彼女がぽつりと話してくれました。
「セミナーで何度か見かけていて、ずっと気になってたんです」
さらに、少し照れたように「初恋の人に少し似ていて……本当は話しかけたかったんですけど、きっかけがなくて。あの流れなら、言えるかもって思って」と続けました。
罰ゲームに見えたあの告白は、彼女なりに勇気を出した結果だったと知り、ようやく腑に落ちました。同時に、自分の中に芽生えていた気持ちにも気づいたのです。
それからしばらくして、僕たちは改めて気持ちを伝え合い、自然な流れで恋人同士になりました。
それぞれの決断へ
そんなある日のこと。僕に海外転勤の話が持ち上がりました。僕の会社で海外転勤は出世コースに乗れたことを意味していて、以前から目標にしていたものです。
それなのに、素直に喜べない自分がいました。A子と会えなくなるかもしれない――そんな考えが頭に浮かんだからです。
数日悩んだ末、僕は彼女に別れを告げるつもりで、海外転勤の話を伝えました。すると彼女からは思わぬ言葉が返ってきました。なんと「ついていっちゃダメですか?」と言うのです。

その言葉に、胸が強く締めつけられました。いろいろな言葉が頭を巡る中、僕が口にしたのは「仕事はどうするんですか?」という、現実的でつまらない問いでした。
すると彼女は少し笑って、「ちょうど転職も考えていたタイミングだから。せっかくなら、環境を変えるのもいいかなって」と答えました。
そして僕は先に海外へ向かい、彼女も退職の手続きを進めながら、こちらに来る準備をしています。
あのとき乗り気ではなかった飲み会も、軽いノリで始まったゲームも、今思えばすべてがつながっていたように感じます。彼女がこちらに来る日を楽しみにしながら、これからの生活を大切にしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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