「連休明けのつらい体調不良」なぜ起こる?教えてくれたのは

日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。秋田栄養短期大学特任教授。
2006年3月に帝京大学医学部を卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
連休明けのつらい体調不良の原因は「生活リズムのズレ」かも

たすく:先生、連休明けになると「だるい」「気分が落ちる」という人が多い気がします。これって、ただの休みボケなんでしょうか?
石原先生:
連休明けのだるさや気分の落ち込みには、休日と平日の生活リズムのズレが関係していることがあります。
休みの間は、就寝時間や起床時間、食事の時間が不規則になりがちです。
その状態から急に平日の生活へ戻ると、体内時計にズレが生じ、自律神経が乱れやすくなります。
その結果、だるさや気分の落ち込みにつながることがあります。
たすく:つまり「休みすぎて怠けた」というより、体が平日のリズムに戻りきれていない可能性があるんですね。
石原先生:
そうですね。連休中に夜更かしや朝寝坊が続くと、体はそのリズムに慣れていきます。
そこから急に「明日から朝7時に起きる」となると、体がうまく切り替えられず、不調として出ることがあります。
海外に行ってないのに!?連休明けに起こる「社会的時差ボケ」
たすく:先生がおっしゃってた「社会的時差ボケ」という言葉について教えていください。連休明けの不調と関係があるんですか?
石原先生:
はい。社会的時差ボケとは、休日と平日で起床時間や就寝時間に大きなズレが生じ、体内時計が乱れてしまう状態のことです。

生活リズムの急激な変化によって、体内時計が海外旅行の時差ボケのような状態になる現象を指します。
たすく:海外に行っていなくても、生活リズムがズレるだけで“時差ボケ状態”になるんですね……。
石原先生:
その通りです。
特にGWなどの長期連休明けは、社会的時差ボケが起こりやすいタイミングです。
就寝・起床時間だけでなく、食事の時間が不規則になることでも、自律神経や体内時計のズレは引き起こされます。
「寝る時間」だけじゃない!食事時間のズレも不調の原因に

たすく:体内時計というと、寝る時間や起きる時間の話だと思っていました。食事の時間も関係するんですか?
石原先生:
はい、関係します。
連休中は朝食を抜いたり、昼食が遅くなったり、夜遅くに食事をしたりすることがありますよね。
こうした食事時間のズレも、体内時計や自律神経の乱れにつながります。
たすく:たしかに連休中って、朝昼兼用になったり、夜遅くに食べたりしがちです……。
石原先生:
休みの日なので多少の変化は自然なことですが、平日との差が大きくなるほど、連休明けに体がついていきにくくなります。
社会的時差ボケで起こりやすい不調は?

たすく:社会的時差ボケになると、具体的にはどんな不調が出やすいのでしょうか?
石原先生:
身体的な症状としては、強い疲労感、眠気、頭痛、めまい、動悸、肩こりなどが表れやすくなります。
また、場合によっては認知機能が低下する可能性もあると指摘されています。
たすく:ただ眠いだけじゃなく、頭痛やめまいまで出ることがあるんですね。
石原先生:
はい。さらに精神面では、セロトニン分泌の低下により、無気力感、集中力の低下、不安感を引き起こしやすくなります。
連休明けに「やる気が出ない」「集中できない」「なんとなく不安」という状態がある場合、生活リズムの乱れが影響していることもあります。
連休明けの不調は「気合い不足」と決めつけないで

たすく:連休明けにやる気が出ないと、「自分がだらけているだけ」と思ってしまう人も多そうです。
石原先生:
もちろん不調の原因は人によって異なりますが、連休明けのだるさや憂うつ感には、体内時計や自律神経の乱れが関係していることがあります。
無理に気合いで乗り切ろうとするより、まずは生活リズムを整えることが大切です。
たすく:原因がわかるだけでも、少し安心しますね。
石原先生:
そうですね。連休明けに不調を感じやすい人は、休みの間から起床時間や食事の時間を大きくズラしすぎないように意識するとよいでしょう。
じゃあ、連休明けの不調対策には何がいい?

たすく:先生、連休明けの不調が心配な人は、何から始めるといいですか?
石原先生:
まずは、朝に太陽の光を浴びることです。
体内時計を整えるうえで、朝の光は大切です。
また、食事の時間をできるだけ規則正しく整え、休日の起床時間も平日と大きくズレないようにしましょう。
たすく:とはいえ、連休中に生活リズムが崩れてしまう人も多いと思います。そういう人におすすめの対策はありますか?
石原先生:
おすすめのひとつが、寝る前の生姜湯です。

生姜湯は体を内側から温める飲み物です。
体が温まることでリラックスしやすくなり、副交感神経が優位になりやすくなります。
連休明けの不調は、生活リズムのズレによって自律神経が乱れ、交感神経が優位な状態が続くことも原因のひとつです。
そのバランスを整えるサポートとして、生姜湯は取り入れやすい方法です。
生姜湯は「寝る90分前」がおすすめ

たすく:生姜湯は、いつ飲むのがよいのでしょうか?
石原先生:
おすすめは、寝る90分前です。
生姜に含まれるショウガオールには、血流を促進して深部体温を高める働きがあります。
生姜湯で深部体温が上がった後、就寝に向けて体温が下がっていくタイミングで布団に入ると、スムーズな入眠につながりやすくなります。

たすく:寝る直前ではなく、少し前に飲むのがポイントなんですね。
石原先生:
はい。連休明けの不調を防ぐには、睡眠のリズムを整えることも大切です。
特に「連休明けの体調不良が心配」という場合には、寝る前の習慣として「生姜湯」を試してみることをおすすめします。
「連休明けのつらい体調不良」は気合いの問題だけじゃない!

今回は、「連休明けのつらい体調不良」について石原先生に原因と対策について教えてもらいました。
連休明けのだるさや憂うつ感は、単なる気合い不足ではなく、休日と平日の生活リズムのズレによって起こる社会的時差ボケが関係していることがあります。
夜更かし、朝寝坊、食事時間の乱れ。
どれも連休中はついやりがちですが、積み重なると体内時計や自律神経に影響することも。
連休明けを少しでもラクに迎えるためには、朝の光を浴びる、食事時間を整える、起床時間をズラしすぎないといった基本が大切です。
それでも「連休明けがつらいかも……」と心配な人は、寝る90分前の生姜湯を取り入れてみるのもよさそうです。
僕も今年は、連休最終日に慌てるのではなく、早めにリズムを整えておきたいと思います。
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