家事も仕事もしているのに…義母のひと言
ある日、会社の仕事が立て込んでいて、洗濯物を回すのが少し遅れてしまったことがありました。すると義母は、「まだ洗濯してないの? 本当にだらしない嫁ね」と、ため息まじりに言ってきたのです。
私は「仕事が落ち着いたらすぐにやります」と伝えましたが、義母は納得しません。「仕事と言っても、あなたがやっているのはお手伝いみたいなものでしょ? 自分が社長にでもなったつもり?」
そう言われ、私は言葉を失いました。義父の会社は経営状況が厳しく、私は資金繰りや取引先とのやり取り、従業員への支払いなど、できる限りのことをしていたからです。さらに義母は、今月の生活費がたりなくなったと言い、会社から10万円を持ってくるよう要求してきました。
「会社のお金は使えません」そう伝えると、義母は「だったら何人かクビにすればいいじゃない」と、信じられないことを言い出したのです。社員たちは会社のために懸命に働いてくれています。そんな人たちを簡単に切ることなど、私には到底考えられませんでした。
夕食を用意した直後…義母から衝撃発言
それからも、義母の態度は変わりませんでした。ある日、義母に「天ぷらが食べたい」と言われ、私は家族分の夕食を用意していました。下ごしらえも済ませ、あとは揚げるだけというところで、義母から「今日は外食になったから」と言われたのです。
「それなら早めに言ってください。食材も無駄になってしまいます」私がそう伝えると、義母は一気に不機嫌になりました。「嫁のくせに姑に口答えするなんて、生意気ね」
夫も私をかばってくれることはなく、結婚して数年も経たないうちに不倫をし、その後も女性関係のうわさが絶えませんでした。それでも私が家を出なかったのは、会社に残ってくれている従業員のことが気がかりだったからです。
義母から突然「今日中に出て行って!」
そんな生活が続いていたある日、義母から突然連絡がありました。「今すぐ仕事をやめて、荷物をまとめなさい。息子があなたと離婚したいって」
何事かと思って聞くと、夫にほかに結婚したい女性ができたというのです。しかもその女性は、良い家柄で大きな会社を経営している家の娘とのこと。義母はすっかり舞い上がっていました。
「その子が明後日、うちに挨拶に来るの。だから今日中に出て行って。10年間お疲れさま」
私は思わず聞き返しました。「本当に出て行っていいんですか? この家、終わりますよ」
けれど義母は、「あなたが出て行ったくらいで終わるわけない」と笑います。新しい嫁候補の実家が、義父の会社の面倒も見てくれると思い込んでいたようでした。その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが切れました。「わかりました。では、喜んで出て行きます」そう告げて、私は家を出ることにしたのです。
「今すぐ…」2カ月後、元義母から電話が
離婚して2カ月ほど経ったころ、元義母から突然電話がありました。出てみると、以前のような威圧的な口調ではなく、どこか焦っている様子です。
「今すぐ戻ってきなさい。もう一度だけ、あなたを使ってあげるわ」
相変わらず上から目線の言い方に、思わず笑ってしまいました。私は結婚していたころよりも、ずっと落ち着いた生活を送っていました。実は義父の会社を手伝う中で知識や人脈を得て、小さいながらも自分の会社を立ち上げていたのです。
しかも、義父の会社を退職した従業員の何人かは、私の会社へ移っていました。彼らは以前から義父や元夫の横暴な経営に不満を抱き、退職した人たち。私は次の働き先として、自分の会社に来ないかと声をかけたのです。
さらに、義母たちが頼りにしていた“新しい嫁候補”は、なんと夫や義両親からお金を引き出す目的で近づいてきた人物だったとのこと。義父の会社は、いよいよ倒産寸前に。元義母はようやく、自分たちが置かれた状況を理解したようでした。
「力を貸して」泣きつく元義母。私の答えは
「今までのことは謝るから、どうか力を貸して。祖父の代から続く会社なの」元義母から泣きつかれましたが、私はきっぱり断りました。
その後、義父の会社は倒産。義家族は家も手放すことになったと聞きました。義母たちは、私や従業員たちがいなくなって初めて、自分たちがどれほど多くの人に支えられていたのかを思い知ったのかもしれません。
一方、私の会社では、以前から苦労をともにしてきた元従業員の何名かが力を貸してくれています。あの家で過ごした10年間は決してラクなものではありませんでしたが、その経験があったからこそ、今の私があるのだと思っています。
これからは信頼できる人たちと一緒に、前を向いて歩んでいきたいと思っています。
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家族だから、嫁だからという理由で、相手に一方的な我慢や犠牲を強いる関係は健全とは言えません。人を見下したり、都合よく利用したりしていれば、いずれ周囲からの信頼を失うことにもつながります。どんな関係であっても、相手への敬意を忘れず、支え合える関係を築いていきたいですね。
【取材時期:2026年4月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています
※一部にAI生成画像を使用しています