私に会ってみたいと言ってくれた彼女に対し、彼も「妹のような存在だから、仲良くしてやってほしい」と大喜び。私も最初は快く思っていたのですが、日がたつにつれて彼の態度に違和感を覚えるようになりました。
幼なじみファースト
彼はあまりにも彼女に対して過保護で、何を決めるにも「幼なじみファースト」だったのです。
楽しみにしていた2人きりの日帰り旅行の計画を立てているときでさえ、彼女が「私も行きたいな」と言えば、彼はすぐに同伴を決めてしまいました。さすがに私も耐えきれず抗議しましたが、彼は「幼なじみに嫉妬なんてするな」「俺たちはそういう仲じゃないんだから」とあきれた顔をするだけでした。
百歩譲って彼に恋愛感情がなかったとしても、彼女の態度にも違和感を覚えざるを得ませんでした。彼女は私がいる前でわざと昔の思い出話ばかりをして、私を蚊帳の外に置き、私が戸惑う様子を見てはチラリと視線を送ってほくそ笑んでいたのです。
離婚して孤独だった彼女は、昔から自分の言うことを聞いてくれる彼に依存しているようにも見えました。彼女にとっては、邪魔な存在である私を排除したかったのかもしれません。
彼にそのことを相談しても、「勝手な勘違いで彼女を悪く言うな」と責められるばかり。しかし私も限界でした。彼との結婚を考え直した方がいいかもしれない……本気で悩みました。
意を決して、私と彼女のどちらが大切なのか本気で考えてほしいと、思い切って彼に伝えたのでした。
突然の婚約破棄
それからわずか1週間後、私は彼から突然、婚約破棄を言い渡されました。
「別れようってどういうこと?」と尋ねると、彼は声を荒らげました。
「俺の幼なじみに嫌がらせしただろ?」
「お前のせいでショックを受けて、彼女は入院したんだぞ!」
まさに寝耳に水でした。たしかに数日前、私は彼女に対して「少しだけ、私たち2人の時間も尊重してくれませんか?」と、言葉を選んでメッセージを送っていました。しかし、決して彼女を傷つけるような意図はありませんでした。
いくら説明しても聞く耳を持たない彼に、私もだんだんと腹が立ってきました。「どうして彼女の言うことばかり信じて、私の話を聞いてくれないの?」と問い詰めても、彼は「彼女は嘘をつくような子じゃない。お前が嘘をついているに決まっている」と断言するのです。
そこまで言うのなら仕方ありません。私は彼に……。
「わかった。でもその前に、私が送ったメッセージの履歴をちゃんと見て」と自分のスマホを差し出しました。画面を見た彼は、そこに暴言や脅迫めいた言葉が一切ないことに少し戸惑った様子でした。
「じゃあ今、『婚約破棄を受け入れた』って、彼女にメッセージを送ってみるね」
私は彼に、私のスマホ画面を見せながら、彼女にメッセージを送信しました。
「彼に捨てられました」
「私のせいで入院したと聞きました。ご体調はいかがですか?」
すると、すぐに彼女から返信がありました。
「ねぇ見て?」
私は彼にスマホ画面を向け、彼女からの返信を読むよう促しました。
「あー入院ね。嘘に決まってんじゃん。あいつ、昔から私の言うことなら何でも聞くからね。最初からおとなしく身を引けばよかったのよ(笑)」
彼女から届いたその冷酷なメッセージに、彼は「え……」と、言葉を失っていました。
幼なじみを優先した彼の末路
彼女の嘘と本性を目の当たりにした彼は、自分が都合よく利用されていたことにようやく気がついたようでした。彼は怒りと動揺を隠せない様子で、その後、彼女からの電話にも一切出ようとしませんでした。
彼は私に何度も頭を下げ、婚約破棄を撤回したいと訴えてきましたが、私の心はすでに冷めきっていました。
原因を作ったのは彼女かもしれませんが、私の言葉を一切信じようとせず、彼女を優先し続けた彼を許すことはできませんでした。「あなたとは、この先の長い人生をともに歩んでいくことはできない」と告げ、私はきっぱりと別れを選びました。
両家で話し合った結果、彼の言動によって婚約継続が困難になったとして、彼から解決金を受け取る形で婚約は解消されました。彼女のほうも、騒動が実家に伝わったらしく、家族から厳しく叱責され、肩身の狭い思いをしていると風の噂で聞きました。
それからしばらくして、私は心機一転、住む場所も仕事も変え、新しい生活を始めました。彼との思い出が残る環境から離れたことで、今は前を向きながら充実した日々を送っています。一方の彼は、すでに結婚式に招待していた上司や同僚たちに婚約破棄の理由をうまく説明できず、職場で気まずい思いをしていると知人から聞きました。
◇ ◇ ◇
パートナーとの生活は、お互いの信頼関係があってこそ成り立つものです。信じていた相手の不誠実な態度には、ひどく傷ついたことでしょう。それでも、結婚前に相手の本当の姿や価値観の違いに気づけたことは、結果的に不幸中の幸いだったのかもしれませんね。
どれだけ相手を大切に思っていても、盲目的になって冷静な判断を見失ってはいけないと痛感します。どんな状況でも、まずはパートナーの言葉に耳を傾け、互いを信じ合える関係を築いていきたいですね。
【取材時期:2026年4月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています