勇気を出した逆プロポーズと、突然の音信不通
私は自宅に彼を招き、思い切って気持ちを伝えました。
「私と結婚してくれませんか?」
すると彼は少し驚いた様子で、「うれしいけど、大事なことだから少し考えさせてほしい」と答えました。
その日はそれで別れましたが、それを最後に彼とは連絡が取れなくなりました。電話もメッセージもつながらず、やがて完全に音信不通に。理由もわからないまま関係は終わり、私は大きなショックを受けました。
10年後の再会
それから10年。私は仕事に打ち込み、今では部門責任者として忙しく働いていました。
ある日、会社の外に出たところで「やっと会えた」というどこか聞き覚えのある声が聞こえました。振り返ると、そこにいたのは10年前に姿を消した彼でした。そして彼は、まるで時間が止まっていたかのようにこう言ったのです。
「ずっと考えてたんだ。あのときの返事、ちゃんとする。結婚しよう」
あまりにも身勝手な言葉に、私は言葉を失いました。しかし彼はこう続けます。
「正直、あのときは結婚の覚悟がなかった。でも最近になって、いろいろあってさ」「今、部長なんだろ? すごいよな。忙しいんじゃない?」と言いながら、彼は私の仕事のことをやけに詳しく話し始めました。
最後にあんな不誠実な態度を取ってきた彼が本当に10年も私のことを考えていたとは思えません。そして私は悟りました。彼はきっと、私のことを頼ろうとした近付いてきただけだと。
過去と決別した、私の答え
私は「もう結婚して子どももいるの。今の生活を大切にしているので」と伝えました。それでも彼は、「やり直せるはずだ」「待っていてくれたんだろ?」と食い下がります。その日は逃げるようにして彼を振り切り、やっとの思いで帰宅しました。
しかし後日、再び彼は会社の前で待ち伏せをしていたのです。自分の思い通りにならない現実を受け入れられないのか、以前より強い態度で迫ってきたのです。さらに「事業で失敗して困ってるんだ。家賃も払えなくてさ。こんな俺を放っておくのか」など、聞いてもいない身の上話をされました。
私はひと呼吸置いてから、静かに言いました。
「私たちの関係は、10年前に終わっています。これ以上の接触は控えてください」
「今後も同じことが続くようであれば、然るべきところに相談します」
その瞬間、彼は言葉を失いました。何か言い返そうとしたものの、結局は何も言えず、その場を離れていきました。それ以来、彼が私の前に現れることはありませんでした。
今の幸せと、過去から学んだこと
現在の私は、家庭にも仕事にも恵まれ、穏やかな日々を送っています。
元恋人との出来事は決して良い思い出ではありませんでしたが、振り返れば、自分の人生を見つめ直す大きなきっかけになりました。
相手にどう思われるかではなく、自分がどう生きたいか。
誰とどんな時間を重ねていきたいのか。
それを考えて選び取った今の生活は、何にも代えがたいものです。過去の出来事があったからこそ、今の幸せに気付くことができたのだと思います。
これからも、大切な人たちとの日常を守りながら、自分の選んだ道を誠実に歩んでいきたいです。
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人との関係は、思いの強さだけで続くものではなく、誠実さやタイミングがあってこそ成り立つもの。自分の選んだ道を大切にしながら、不要な関係にはきちんと区切りをつける――その大切さを感じさせられるエピソードでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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