見栄っ張りな元婚約者
ただ、僕はもともと派手な暮らしは好きではありませんでした。住まいは広すぎないアパートで、車も実用重視で軽自動車に乗っています。派手好きだったAは僕の生活ぶりを知っていましたが、「結婚後の新居や生活のために、あえて節約してくれている」と自分に都合よく勘違いしていたようです。
ある日、会社近くのカフェで、結婚式について話をしていました。そのとき、今後の生活について僕が「結婚後も今のような、落ち着いて堅実な生活を続けたい」と伝えると、Aの態度が急変。「結婚したら、タワーマンションに住んで、高級車を買ってくれるんじゃないの!?」と激怒していました。
するとAは、「もういいわ。悪いけど、あなたみたいな貧乏人とは別れる。婚約も破棄させてもらう!」と言い放ちました。さらに、店の外で待たせていた派手な身なりの男性を呼び寄せ、「あんな小さな家に住んで、軽自動車に乗る人が大企業勤めなわけない! 私をだましてる!」と僕の年収や勤め先まで偽っていると決めつけたのです。彼女にとって、結婚相手の価値は目に見えるステータスがすべてだったよう。僕はわざわざ釈明する気にもなれず、静かに別れを受け入れました。
僕に声をかけてくれたのは…?
その場で僕がしばらく落ち込んでいると、「先輩…?」と声をかけてきた人物が。彼女は、僕と同じ会社の別部署で働く後輩・Bでした。彼女は、明るくしっかり者で、職場でも頼りになる後輩です。実は、Aと知り合った婚活パーティーに、Bも参加していたことを僕は知っていました。
偶然近くを通りかかったというBは僕の事情を察し、「こういうときはパーッといきましょう!」と僕を励まし、一緒に飲みに行くことに。
しばらくしてお酒が回ったころ、Bは少し恥ずかしそうに「あなたが婚活パーティーに行くと聞いて、いてもたってもいられなくて参加してしまった」と打ち明けてくれました。当日は、僕がAと話し込んでいるところを見て話しかけられなかったそう。
さらに「先輩みたいに、誰もが知る大企業でトップクラスの成績を出しているのに、少しも偉ぶらない堅実なところ、ずっと尊敬していました」と、僕の仕事に対する姿勢や飾らない人柄に惹かれていたと教えてくれました。
元婚約者の相手
自分の本質を見てくれていたBの言葉に救われた僕。彼女の告白に、「今は、やっぱり落ち込んでいてすぐに気持ちを切り替えることはできないけど…お友だちからなら」と伝えました。彼女とは、金銭感覚や価値観も合っていて、話をしていてとても落ち着きました。
それから数カ月後、突然Aから「ヨリを戻したい」と泣きながら連絡がきました。実は、彼女が僕を見下して乗り換えたあの男性は、高級車に乗りブランド服を着ていましたが、それは「自分をよく見せるため」だけにお金を使うタイプだったそうです。
交際が始まると、Aにも自分に見合うよう高額な美容代や服飾代を要求するうえ、デート代はすべて1円単位で割り勘。少しでも不満をこぼすと「誰のおかげでいい思いができているんだ」と見下される窮屈な日々に耐えられなくなったとのことでした。
見栄を張るための飾りにされ、自業自得の状況に陥ったAからの身勝手な懇願に、僕が応えるはずもなく……。「表面的な姿ではなく、僕の本質を見てくれる人と出会ったので」ときっぱりと告げ、電話を切りました。
あのとき、Aとの別れはショックでしたが、結果的に「相手の持ち物や条件だけで人を測る人」と一生を共にせずに済みました。大企業という肩書きに関係なく、僕のありのままを受け入れてくれるBという大切な存在に気付くことができたのです。この先も長い間一緒にいることを考えると、価値観の合う相手をしっかりと見極めることが肝心だと学びました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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