

函館への憧れと家族の反応
私の家族は北海道に住んでいます。そのため、最初に式場候補として思い浮かんだのは函館でした。昔、家族みんなで泊まった函館のホテルがとても素敵で、私は「いつかここで結婚式ができたら……」と憧れていたのです。
そこである日、家族に電話して「函館で式を挙げるのはどうかな?」と聞いてみました。すると返ってきたのは、「え、北海道でやるの?」という反応。驚いているというより、結婚式をきっかけに東京へ行くことを楽しみにしていたようで、その期待が声色から伝わってきました。
家族の反応に、私は少し複雑な気持ちになりました。函館への憧れはありましたが、家族は東京での式に参列することを楽しみにしていたのです。交通費など現実的な負担も気になりましたが、私たちの結婚を前向きに受け止めてくれていることがうれしく、どうにか形にできないかと考え始めました。
偶然の誘いで道が開けて
東京での挙式へ方向を変えたものの、式場探しを進めるほど、予算の壁が見えてきました。見積もりを取るたびに想定より金額が大きくなり、このまま希望通りに進めるのは難しいかもしれないと感じていました。
そんなある日、夫が元同僚から「久しぶりにカフェでお茶でもどう?」と誘われ、何気ない再会のつもりで出かけていきました。
帰宅した夫は、少し興奮した様子でこう言ったのです。
「結婚することになったって話したら、元同僚が『結婚式の資金が足りないなら、うちのレストランを少し安く使えるように相談してみようか』って言ってくれたんだ」
私は思わず「そんなことある!?」と声を上げました。こちらからお願いしたわけではなかったので、本当に偶然、道が開けたように感じました。
思い出のレストランを会場に
会場は、夫が長年働いていたフレンチレストランに決まりました。そこは雰囲気のある高級レストランで、式場を探していたときから「ここで結婚式ができたら素敵だろうな」と思っていた場所でもあります。
打ち合わせの日、店内に入ると、あらためてその空間に胸が高鳴りました。
「本当にここで結婚式ができるなんて」
私がそう言うと、夫は少し照れたように笑って、「これも縁だよね」と言いました。
総費用は約120万円でした。一部は借り入れでまかないましたが、式後は無理のない範囲で計画的に返済し、無事に完済することができました。
函館の式場への憧れから始まった話し合いは、家族が「東京で参列したい」と楽しみにしてくれていることを知るきっかけにもなりました。交通費や資金の面で悩むこともありましたが、偶然の誘いから生まれたご縁に助けられ、私たちは無事に結婚式を挙げることができました。
夫にとって思い出のあるレストランで迎えた一日は、家族にとっても印象深いものになったようです。両親は今でも、その日のことをうれしそうに話してくれます。準備の過程で迷ったことも含めて、私たちにとって大切な思い出になりました。
著者:加藤奈恵/30代女性・東京都在住。夫と子どもの3人で暮らしている。
作画:おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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