孫と始まった「推し活交流」
ある日、息子夫婦から「A子にスマホを持たせることにした」と聞きました。これまで嫁のB奈はA子にスマホを持たせることに慎重でしたが、中学生になるタイミングや塾通い、防犯面などを考えて決めたそうです。時代の変化を感じつつ、私は「A子ちゃんならきっとじょうずに使えるわね」と声をかけました。
その流れで、A子が好きなYouTuberの話題になったのですが、なんと私も同じチャンネルを見ていたのです。
「えっ、おばあちゃんも見てるの?」
「あら、A子ちゃんも好きだったの?」
そこから私たちは、一気に距離が縮まりました。動画の感想を送り合ったり、新しい配信について話したり。スマホは単なる連絡手段ではなく、孫と趣味を共有できる大切な存在になっていったのです。
私は、そんなA子の中学入学を心から祝いたいと思い、以前から欲しがっていたワンピースをプレゼントとして郵送しました。背伸びした大人っぽいデザインで、A子が「いつか着てみたい」と話していたものです。
届いていなかったプレゼント
ところが、いくら待ってもA子から連絡がありません。少し気になった私は、自分からメッセージを送ってみました。
「入学祝い、気に入ってもらえたかしら?」
「中学校生活、楽しんでね」
すると返ってきたのは「入学祝い? 届いてないよ?」という予想外の言葉でした。私は思わず固まってしまいました。B奈さんからは以前、「A子、とても喜んでいましたよ」と連絡が来ていたのです。ですが、A子本人はプレゼントの存在すら知らない様子でした。
不思議に思っていた数日後、A子からどこか戸惑ったような連絡が来ました。
「おばあちゃん、もしかして入学祝いって……花柄のワンピースだった?」
突然の質問に驚いて理由を聞くと、A子から電話がかかってきました。そして、事の顛末を打ち明けてくれました。
きっかけは、A子の友人が駅前でB奈を見かけたことでした。その際、B奈が着ていたのは、まさにA子が以前から「欲しい」と友人に画像を見せていたワンピースだったのだとか。
普段はラフな服装が多い母親が、なぜその服を着ているのか――。違和感を抱いたA子が後日、B奈のクローゼットをのぞくと、そこには見覚えのあるワンピースが掛けられていました。さらにその足元には、私が荷物に同封したはずの「入学おめでとう」のメッセージカードが、くしゃくしゃに丸めて捨てられていたといいます。
母親が自分宛てのプレゼントを横取りしていたのだと確信し、A子はショックで涙が止まらなくなったと、震える声で話してくれました。
嫁の行動に失った信頼
私はB奈に確認しました。すると最初はごまかしていましたが、最終的に、自分でワンピースを使っていたことを認めたのです。
しかも問い詰めてみると、そのワンピースを着て出かけた日は、不倫相手の男性と会っていたことも発覚しました。B奈は悪びれる様子もなく、「私だって息抜きくらいしたいんです。ちょっと借りただけじゃないですか」と言い放ちました。
娘宛てのプレゼントを勝手に着て、あろうことか不倫までしていた――。その身勝手な行動に、私は激しい怒りとショックを覚えました。その後、息子夫婦は何度も話し合いを重ねましたが、崩れた信頼が戻ることはなく、最終的に離婚という別々の道を歩むことになりました。
A子自身も深く傷ついたため、現在は私と息子で生活を支え、できるだけ穏やかに過ごせる環境を整えています。
一方で、A子とは今も変わらず、好きな動画の話で盛り上がっています。
「今度の配信見た?」
「おばあちゃん、あの企画すごかったね!」
そんな他愛のないやりとりをするたび、つらい経験を乗り越え、好きなものを共有できる時間のありがたさを改めて噛み締めています。
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共通の趣味を通して深まっていた祖母と孫の絆。その一方で、大人の軽率な行動によって傷ついてしまう子どもの存在も印象的なお話でした。だからこそ、最後に再び2人が穏やかに推し活を楽しめている姿に救われます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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