私たち家族はオーストラリア在住で全員日本人です。長女は英語が理解できていません。「子どもは柔軟性があって英語をすぐ覚える」と知人から聞いて、長女を保育園に入園させました。しかしわが家の長女はそうではありませんでした。子どもの個人差って大きいと感じた体験をお伝えします。
英語環境に慣れさせなきゃ!
4歳になる年から現地の幼稚園へ入園予定だったのですが、英語をまったく理解できていない当時3歳の長女を心配して、今のうちに保育園に入れて英語環境に慣らそうと夫婦で話し合いました。
ママ友から「子どもは英語を覚えるのが早い! 環境適応力がすごい! うちの子は1カ月ほどから英語が出てきた」と聞いて「長女も案外、早く慣れるかな」と不安ながらもどこか期待していたのです。
登園拒否! 誘拐さながらの登園光景
言葉も理解できない、ママもいない、知っている人が誰もいない、ランチは園が用意する長女の苦手なピザやポテトフライ。保育園がどのようなところかを理解した長女は、週2回の保育園を全身全霊で拒否しました。
わが家から徒歩圏内の園だったので交通手段は徒歩。バタバタと手足を動かし泣きながら抵抗する長女を抱えながらの登園光景は、まるで誘拐しているようでした。
園での様子は?
いつも登園を嫌がってばかりの長女。保育園に通い始めて2週間ほど経ってから、お休みの日も毎日長女は「今日、保育園の日?」と不安そうに聞いてくるようになりました。
園での様子を先生に聞くのですが、毎回「今日もずっと何もしゃべらず椅子に座っていました」と言われました。
どうやら長女は園でのセーフティーゾーンを見つけ、ランチ以外の時間を自分のセーフティーゾーンで椅子に座って私のお迎えを待っているようでした。それが4カ月ほど続き、私はだんだんと「この登園に意味はあるのか?」と疑問を持ち始めました。
保育園をやめよう!
長女が園で楽しめていない様子を聞くのもつらかったですし、来年から幼稚園が始まると数年間は現地の英語の学校に通うんだからと思い、半年経っても保育園に慣れなかったら退園させようと決めました。結果、長女は英語力も伸びなかったし友だちもできなかったので退園し、幼稚園が始まるまでの日々を楽しく過ごすことにしたのです。
ほかの子どもがすぐに英語環境に慣れたからといって、長女もすぐに慣れるわけではないんだと痛感しました。ましてや長女はとてもシャイな性格です。子どもの個人差ってこんなに大きんだな、長女に合った英語の学ぶ方法があるはずだ! と考え直すきっかけにもなりました。
著者:藤原 にじ
二児の姉妹の母。兵庫県出身、オーストラリア在住。自身の経験と感性をもとに執筆活動中。趣味はイラスト、漫画を描くこと。旅行も大好き!妄想の中でも旅行に行く。