渋々向かったお見合いで出会ったのは…
ある日、実家に呼び出されると、兄が1枚の写真をテーブルに放り投げました。そこに写っていたのは、分厚いメガネをかけた地味な女性。親から勧められたお見合いだそうですが、兄は鼻で笑いながら言いました。
「俺にはもっとふさわしい女がいる。あんな地味ブス、お前にぴったりだろ? 代わりに行ってこいよ」
反論しても無駄だとわかっていた私は、渋々そのお見合いに行くことに。しかし、実際に会ってみると、彼女は極度の人見知りで少し身なりに無頓着なだけで、気配りのできるとても心やさしい女性だったのです。
ありのままの彼女に少しずつ惹かれて
2人で話す時間があり、そのとき彼女は「もう少しおしゃれになりたいけれど、どうすればいいかわからない」と打ち明けてくれました。
「外見なんて気にしなくていいですよ。ありのままのあなたが素敵です」
私がそう伝えると、彼女は少しずつ心を開いてくれました。一緒に過ごす時間はとても居心地が良く、私たちは自然と惹かれ合い、結婚を前提にお付き合いをスタートさせました。
すると、彼女に少しずつ変化が。私を喜ばせようと、密かにメイクやファッションの勉強を始めてくれたのです。そして数カ月後……なんと彼女は、思わず目を引くほど魅力的な女性へと変貌を遂げました。
結婚式当日、兄が放った信じられない言葉
そして迎えた結婚式当日。見違えるほどきれいになったウェディングドレス姿の彼女を見て、一番驚いていたのは兄でした。
「おい! なんであんな美人がお前なんかと結婚するんだ! そもそも俺のお見合い相手だったんだから、俺と結婚するべきだろ!」
酒が入って気が大きくなっていたうえ、私たちへの嫉妬も抑えきれなくなっていたのでしょう。兄は親族が集まる控え室で彼女に詰め寄り、図々しくも奪い取ろうとしたのです。騒然とする中、彼女は冷ややかな目で兄を見据え、毅然と言い放ちました。
「私が愛しているのは、ありのままの私を受け入れてくれた彼だけです」
身勝手な兄に待っていた自業自得の結末
彼女のスカッとする一言に、「みっともない」「さっさと出て行け!」と親戚からも非難され、顔を真っ赤にした兄は逃げるように式場から立ち去っていきました。幸い、その後の結婚式は大きな混乱もなく、無事に執り行うことができました。
その後、兄は親族間で完全に孤立。一方の私は、心やさしく美しい妻と共に、毎日笑顔の絶えない幸せな家庭を築いています。
◇ ◇ ◇
人を外見だけで判断したり、自分の都合で見下したりする言動は、決して許されるものではありません。一方で、ありのままの相手を受け入れ、思いやる気持ちは、その人の魅力をより輝かせるきっかけになることも。否定せずに寄り添ってくれる存在がいるだけで、人は少しずつ前を向けるのかもしれませんね。
【取材時期:2026年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。