平日だろうとお構いなしに夫へ連絡をしてくる義母。夫が仕事中で電話に出られなくても、何度も着信を入れてきます。
ようやく夫が折り返すと、「あなた、結婚してから冷たくなった」「全部あの子のせいでしょ」と、私を責めるような言葉が続いていたそう。
義父を数年前に亡くしてから、義母は1人暮らしをしています。そのため夫も強く言い返しづらかったようで、「適当に流しておこう」と、私たちは深く関わらないようにしていました。
しかし、その考えが甘かったのだと痛感する出来事が起きてしまったのです……。
勝手にわが家に忍び込んだ義母
ある休日、夫と近所へランチに出かけた帰りのこと。
自宅へ戻ると、閉めたはずの門扉が半開きになっていたのです。さらに家の中から物音まで聞こえてきました。
私は思わず夫の後ろに隠れました。
「……誰かいる?」
空き巣かもしれないと思い、夫と様子をうかがっていると――しばらくして中から出てきたのは、義母でした。
「なんで母さんがいるんだよ!」という夫に対し、悪びれる様子もなく「ちょっと掃除してあげようと思って」と言った義母。
後からわかった話ですが、以前夫が義実家に鍵を忘れた際、義母は勝手に合鍵を作っていたようでした。
「ところで、なんでこんな大事なことを教えてくれないのよ!」
そう言った義母の手には、エコー写真。私が日記帳に挟んで、大事に保管していたものでした。
当時、私は妊娠10週目。まだ安定期前だったため、両家への報告も控えていた時期です。それなのに、義母は勝手に家へ入り込み、まだ誰にも言っていなかった大切な妊娠の記録まで盗み見ていたのでした。
怒りで手が震えるのを感じながらも、私はこう言いました。
「どうして勝手に入るんですか?」
夫もさすがに黙ってはいません。
「母さん、俺たちもさすがに限界だよ」
「反省しないなら本当に距離を置くからな」
珍しく強い口調で言い切った夫に、義母はぶつぶつ言い訳していましたが、最終的には不満そうな顔をしながら帰っていきました。その後しばらく、義母からの連絡は途絶えていたのですが……。
出産当日に義母から飛び出した信じられない暴言
それから数カ月後――。
私は出産の日を迎えました。陣痛が始まり、夫と実母へ連絡を入れて病院へ。痛みに耐えながら分娩室の準備を待っていると、突然、病室の扉が開いたのです。
入ってきたのは義母でした。
本来、立ち会いできるのは夫のみ。どうやら義母は以前に盗み見た私の日記帳から産院を特定し、私たちの行動を監視していたようで、病室には看護師さんの隙を見て勝手に入り込んできたようでした。
驚く私たちに対し、義母はベッド脇に置かれていた新生児用品をじろじろと見ながら言いました。
「え、女の子なの?」
「それは残念ね」
あまりにも非常識な言葉に、耳を疑った私。夫も呆然としていましたが、すぐに義母を病室の外へ連れ出し、「もう帰ってくれ!」と強く言ってくれました。
そして、モヤモヤした気持ちを抱えながらも、私は無事に元気な女の子を出産したのです。
夫が義母に下した決断
私と娘が退院した後も、義母の態度は変わりませんでした。それでも「おばあちゃんだから」と、私たちは娘と義母を会わせる計画を立てていました。
そして、夫が電話をしたタイミングで、義母はこんなことを言ったのです。
「せっかく出産したのに女の子なんて論外よ」
「跡取りを産めないなら、その子とは別れなさい」
夫の表情が一気に変わりました。怒りでも悲しみでもなく、感情が抜け落ちたような表情でした。
「母さん、もう無理だよ」
夫は静かな声で続けます。
「妻と娘を傷つけるなら、もう付き合えない」
「今まで母さんに言われてお金も用立ててきたけど、これからは援助もしない」
夫の言葉を聞いて、義母は慌てて謝ったそう。しかし、それは夫に対してだけでした。最後まで私や娘への謝罪の言葉はなかったのです。その姿を見て、夫は「母さんとは距離を置く」と決心したそうです。
性別関係なく、生まれてくる子はみんな等しく大切な命です。古い価値観と、嫁である私が気に入らないというだけで孫を否定する義母とは、もう関わるつもりはありません。
今は夫と娘との3人暮らし。合鍵はだいぶ前に夫が義母から取り上げましたが、念のため家の鍵も変えました。ようやく、心穏やかに過ごせる毎日を取り戻せたと思います。
◇ ◇ ◇
度重なる干渉に加え、孫の性別まで否定するような発言を繰り返した義母。家族だからといって何を言っても許されるわけではありません。相手への配慮を欠いた言動は、少しずつ信頼関係を壊してしまうものです。
特に、出産という大切な場面での心ない一言は、消えない傷として残ってしまいます。自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の幸せを尊重する姿勢こそ、良好な家族関係には必要なのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。