そもそも男性は助産師になれない
まず大前提として、日本において男性は助産師になることができません。 賛成・反対を語る以前に、法律上なれないのです。
国家資格の取得そのものが性別によって制限されているのは、助産師のみです。過去には見直しの動きもありました。男女平等の流れのなかで「男性が助産師になれないのは逆差別では」という議論が起き、男性助産師の実現を目指す動きも生まれています。
2001年の法改正では、それまでの「助産婦」という名称が、性別を含まない「助産師」へと改められました。
しかし、妊婦が感じる羞恥心や倫理的な配慮を理由に専門職団体が強く反対し、男性に資格を開放する改正には至りませんでした。名称は中性的になったものの、「女性に限る」という規定は、2026年5月現在までそのまま残っています。
SNSの2つの主張
議論の中心になったのは、大きくわけて「出産する側の安心感」と「職業選択の平等」という2つの視点です。
反対派——出産のデリケートさと安心感
出産は女性にとって極めてプライベートでデリケートな体験です。内診や分娩介助といった体に深く関わる場面で、異性に対応されることへの不安や抵抗感は、多くの人が抱きやすいものです。
「人生でも特別な時間に、安心して身を委ねられる相手であってほしい」という願いは、単なる感情論として片づけられるものではありません。ここには「助産師の性別を選びたい」という妊産婦の希望を、医療現場でどう尊重するかという論点も含まれています。
賛成派——平等と職業選択の自由
一方で「性差別だ」とする声も根強くあります。現実に産婦人科医には男性が多くおり、「医師は男性でも受け入れられているのに、助産師だけ男性を一律に排除するのは矛盾しているのでは」という意見も見られました。
専門性は本来、性別とは無関係に身につくものだ、という考え方です。
一方で、産婦人科医と助産師では、妊産婦との関わり方が少し異なります。医師は診察や医療的な判断、異常時の対応を担う場面が多いのに対し、助産師は陣痛中の声かけや分娩の介助、産後の体調確認、授乳指導や乳房ケアなど、より身近なケアをママに寄り添う形でおこなう存在です。
そのため、男性医師を受け入れられる人でも、男性助産師には別の抵抗感を抱くことがあるのかもしれません。これは単なる矛盾というより、「どの場面で、どの距離感で関わられるのか」によって、受け止め方が変わる問題だといえそうです。
ママの本音は?
実際に出産を経験する当事者であるママたちは、男性助産師についてどう感じているのでしょうか。ベビーカレンダーでは、ママ213名を対象にアンケート調査をおこないました。

その結果、「抵抗がある」と答えた人が46.7%、「どちらかといえば抵抗がある」と答えた人が20.3%、合計67%のママに「抵抗する気持ち」があることがわかりました。
明確に抵抗感を示した人だけでも半数近くにのぼり、分娩はもちろん、産後の回復や授乳指導で「担当者の性別」を気にする人は少なくないことがわかります。
抵抗があると答えた人たちは、具体的にどのような点に不安を感じているのでしょうか。
「女性のほうが安心」「授乳や乳房ケアは抵抗がある」の声
反対派の声には
「女性のほうが安心する」
「授乳指導や乳房ケアを男性にされるのは抵抗がある」
「出産や産後は心身ともに弱っているので、異性だと余計に気を遣ってしまう」
といった意見が目立ちました。
「性別よりも資質」「選べるならよい」という声も
その一方で、男性助産師を一概に否定しない意見もありました。
「男性の産婦人科医がいるのだから、助産師もいてよいと思う」
「性別ではなく、技術や人柄で判断すべき」
「人手不足のなかで、性別だけで可能性を閉ざすのはもったいない」
といった声です。
大切にしたいこと
今回の議論は、「男性助産師を認めるのは平等か、不平等か」という単純な話ではありません。より大切なのは、妊産婦が安心して出産し、産後のケアを受けられるかどうかです。
ベビーカレンダー編集部としては、制度の是非だけでなく、妊産婦が安心してケアを受けられる仕組みづくりも同時に考える必要があると感じました。
出産は、人生のなかでも特に繊細で大きな出来事のひとつです。制度の公平性を考えることは大切ですが、それ以上に、出産する本人の不安や安心感をどう守るかが問われているのではないでしょうか。
■調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2026年5月23日~5月27日
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用した方
調査条件:1人以上お子様がいらっしゃる方 213名
※AI生成画像を使用しています