義実家のお葬式で見た光景

北海道では、お葬式は親族が顔を合わせる貴重な機会でもあるため、集合写真を撮る家庭が少なくありません。私の親族も同じで、その風習が当たり前のように根付いていました。
そんな私が本州の都会で育った夫と結婚して、義実家側のお葬式に初めて参列したときのことです。式が終わり、親族がそろっている様子を見て、つい「集合写真は撮らないの?」と言ってしまいました。
その場にいた人たちは驚いたような表情を見せ、会話が一瞬止まったように感じました。北海道で育った私には当たり前のことでも、義実家にとってはまったくなじみのない発想だったのです。自分の常識が通じない場面に直面し、恥ずかしさと戸惑いが入り混じり、とても気まずい思いをしました。
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今回の体験を通して、自分にとっては当たり前の文化や習慣でも、他の場所では通じないことがあると感じました。実際に体験してみて、こうした違いに気付けたのは自分にとって良い機会になりました。
著者:木下りんご/30代女性・会社員
イラスト:サトウユカ
義母の葬儀で義姉たちが突然読経を開始

義母の葬儀に参列したときのことです。式が始まり、厳かな空気の中で住職の入場を待っていたのですが、現れたのは意外すぎる人物たちでした。
なんと、私の義姉たちがそろって前に出ると、自ら読経を始めたのです。
その姿を見て、私を含め周囲の参列者は騒然となりました。義姉たちはこの日のために、密かに集まって猛特訓を重ねていた様子。身にまとっている衣装や、手にしている小道具も驚くほど本格的なしつらえで、非常に珍しくも印象深い経験となりました。
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最近では葬儀の形も自由になっているとは聞いていましたが、まさか身内が読経まで担当するとは想像もしていませんでした。しきたりに縛られすぎず、自分たちらしいお別れを形にする勇気に、驚きとともに考えさせられるものがありました。
著者:三谷美月/40代女性・主婦
「お墓は樹木葬にする」父の衝撃的な決断

私には兄が2人と84歳の父、75歳の母がいます。独身の長男は県外で1人暮らし、次男は家庭を持って同じ県内に暮らしています。2022年のある日、父から「いいものがあるから、家に来い」と連絡が来ました。
実家に行くと、父がおもむろに1冊のパンフレットを机に投げ置き、「お父さんとお母さんのお墓は、樹木葬にすることにしたから!」と突然、私の思いも寄らないことを口にしたのです。
契約金100万円!?父の行動に驚き
父から渡されたパンフレットに目を通すと、両親が選択した樹木葬とは、墓石ではなく樹木や草花をシンボルに遺骨を埋葬するというもの。永代供養の1つで、一定期間が過ぎると合祀(他人の遺骨と混ぜて埋葬すること)されます。継承者が不要なため、子どもにお墓の管理で迷惑をかけたくないという高齢者が、選択するケースが増えてきているようです。
親としては独り身の兄のことが心配のようで、お墓のことなどを気にしていたそう。「お墓の管理も大変でしょ」と残される私たちのことを思っての決断だったようです。
しかし両親は何年か前に、父の実家である今の家から1時間ほど離れた町にお墓を建てるための土地を購入しているはず……。
「買ってあったお墓の土地はどうするの?」と聞くと「もう売り払った」「樹木葬の申し込みは終えていて、支払いも済ませている」というではありませんか。机の上のパンフレットの中には樹木葬の契約書が挟まっており、総額はなんと100万円です!
ひと言相談してほしかった
「え! もう申し込んだの? 支払いも済ませて!?」私は先ほどよりもさらに空いた口がふさがらない状態に。父は思い立ってすぐ樹木葬をしてくれるお寺の資料を取り寄せ、申し込みを終えたようなのです。どんなお寺か、内容や料金など私たちには何も知らせず、一緒に樹木葬に入る長男にすら、申し込んだ後に報告したよう。
私は「お父さんたちの気持ちは尊重したいけど、少しくらい事前に相談があってもよかったんじゃない?」と言いましたが、父は「お父さんたちのことはおまえたちには関係ない。相談する必要もない」ときっぱり。「でも、お兄ちゃんの気持ちは確認してから決めたの?」と聞いても「それがいいに決まっている」と有無を言わさぬ口調でした。
ひと言も相談なく大事な決断をしてしまった父……。「お墓の管理が大変かどうかは、お父さんたちが決めることじゃない。樹木葬にしたいなら、反対はしなかったと思うけど、それでも初めに相談してほしかった」とだけは私から伝えましたが、話が平行線になりそうだったので、その日はひとまず実家を後にすることに。
その後、契約のクーリングオフ期間内に再度家族会議を開催。兄にもオンライン通話で参加してもらいました。しかし、兄も「そこまで話が進んでいるのなら……」と言っており、結局父に押し切られる形で話は終わったのでした。
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両親が、子どもや残される人のためを思って終活していることに、反対はありません。でも、お墓のような私たちが今後関わるようなことについては、ひと言あってほしかったと思わずにはいられません……。
私は近くに住んでいるのに、どうして大事な話をしてくれなかったのだろう、といまだに悲しい気持ちになりますが、それも後の祭り。ここは自分が気持ちを整理すべきだと考えています。私が年を取って同じような場面に出くわしたときは、子どもの意見をきちんと聞こうと思った出来事でした。
著者:福代ことは/40代女性・ライター。夫が単身赴任中のため、2011年、2015年、2020年生まれの3人の子どもを1人で育児するワンオペママ。コーヒーとスイーツが大好物。1人の時間を見つけてはカフェ通いしてストレス発散している。
イラスト:サトウユカ
まとめ
冠婚葬祭のしきたりに唯一の正解はありません。また葬儀の形も時代によって変化していきます。家族のあり方が多様化する今だからこそ、お互いの想いを大切にした「お別れ」について考えていきたいですね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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