夫から「離婚してほしい」と告げられた話
妊娠がわかったばかりのころ、私はおなかに新しい命が宿ったことがうれしく、これから夫と一緒に子どもを迎える準備をしていくのだと思っていました。ところがある日、夫から突然、信じられない言葉を告げられたのです。
「好きな人ができた。もう家族としては愛せないから、離婚してほしい」
一瞬、何を言われているのかわかりませんでした。妊娠がわかったばかりの私に、なぜ今そんなことを言うのか。夫は、私とおなかの子をどう思っているのか。頭の中にいくつもの疑問が浮かびましたが、すぐには言葉が出てきませんでした。
夫の話では、相手は以前から親しくしていた女性とのことでした。私は「好きな人がいるって、どういうことなの?」と聞きました。すると夫は、しばらく黙ったあと、その女性と親密な関係になっていたことを認めたのです。
その瞬間、これまで夫と過ごしてきた時間まで否定されたような気がしました。何より悲しかったのは、妊娠中の私に離婚を切り出してまで、夫がその女性との関係を選ぼうとしていたことです。
私はその場で答えを出すことなどできませんでした。夫を責めたい、泣きたいという思いがこみ上げる一方で、これから一人で子どもを育てられるのだろうかという不安でいっぱいでした。
それでも、おなかの子を産み、育てたいという気持ちは変わりませんでした。夫との関係がどうなるにしても、この子との生活を守るために、まず何をすべきか考えなければならない。そう自分に言い聞かせました。
ひとりで抱え込んだままでは判断できず、私は信頼できる家族に事情を打ち明けました。夫に離婚を求められたことや、相手の女性との関係を認めたことを伝えるのはつらく、話している途中で何度も涙がこぼれました。
それでも、家族に話を聞いてもらったことで、少しずつ現実に向き合えるようになりました。
不安はありました。けれど、妊娠中の私に離婚を求め、別の女性との関係を選ぼうとした夫と、この先も家族として暮らしていくことはできない。そう考え、私は離婚に向けて話を進めることにしました。
その後、専門家に相談しながら話を進め、夫と相手女性には、私が受けた精神的な苦痛に対する慰謝料を求め、支払いを受けました。出産後の子どもの養育費についても夫と取り決め、離婚が成立しました。
離婚が成立しても、気持ちがすぐに整理できたわけではありません。妊娠がわかったときに思い描いていた未来を失ったことを受け入れるには、時間が必要でした。
それでも、あのときひとりで抱え込まず、周囲や専門家に相談したことで、自分と子どもの生活を守るために動くことができました。現在は、成長していく子どもの姿に励まされながら、穏やかに日々を過ごしています。
著者:大畑美陽/30代女性/3歳の娘を育てるシングルマザー、会社員。趣味は映画鑑賞
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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