背中にできもの。軽い気持ちで受診
20代半ばのころ、背中にやわらかいできものができました。痛みはないものの、触れるとぷにぷにしていて気になり、軽い気持ちで皮膚科を受診しました。
診察の結果は粉瘤(ふんりゅう/皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来は剥がれ落ちる角質や皮脂が袋の中にたまってできる良性の嚢腫)で、その場で切開し膿を出す処置を受けることになりました。
ところが会計時に「今日は手術をしたので費用が高くなっています」と言われ、一瞬耳を疑いました。医師からは特に説明もなかったため、自分では軽い処置だと思っていましたが、このとき初めて手術だったと知ることに。事後報告のように告げられたことに驚きと戸惑いが入り混じり、状況をすぐに受け止めきれませんでした。
油断した判断で起きた異変
術後は「抜糸までは重いものを持たないように」と説明を受け、気を付けながら生活することになりました。その期間中、ショッピングモールでのイベントの仕事があり、準備や片付けで荷物を運ぶ場面が続きました。
なるべく負担をかけないよう意識していたものの、もともと力があるほうだった私は「これくらいなら問題ない」と判断してしまいます。
L字ポールを数本まとめて持ち上げた瞬間、背中から「ブチッ」と嫌な感触が伝わり、思わず血の気が引きました。無理をしたつもりはなかっただけに、「なぜ」という戸惑いと不安が一気に込み上げてきたのを覚えています。
抜糸のために受診した結果
抜糸のために再び受診すると、医師から「糸が切れています」と指摘され、注意を受けることになりました。自分の中では気を付けていたつもりだったため、どこからが重いものに当たるのかわからないもどかしさもあり、複雑な気持ちになりました。
結果的に傷はきれいに治らず、10年たった今でも背中にはそのときの痕が残っています。
まとめ
あのとき「これくらいなら大丈夫」と過信して重いものを持ってしまい、10年たった今も消えない傷痕が今も背中に残ってしまったことは後悔しています。体の異変に気付いたときは早めに医療機関を受診することはもちろん、処置後は自己判断せず、医師の指示をしっかり守ることの大切さを身をもって実感しました。
医師による解説:粉瘤手術後に傷をキレイに治すコツ
粉瘤の手術は短時間で終わりますが、術後の過ごし方が仕上がりに大きく影響します。特に背中などは皮膚が引っ張られやすいため、傷口が広がらないよう注意が必要です。
切開排膿と摘出手術の違いを知ろう
粉瘤の処置には、たまった膿を出す「切開排膿」と、袋ごと取り除く「摘出手術」があります。炎症が強い場合はまず切開をおこないますが、袋が残っていると再発の可能性があるため、炎症が落ち着いてから改めて摘出を検討するのが一般的な流れです。
術後1〜2週間は患部の安静が最優先
縫合した傷口が完全にふさがるまでには時間がかかります。特に背中は体を動かすたびに皮膚が伸展し、縫合糸に強い負担がかかります。重い荷物を持つなどの動作は、糸が切れる「創部離開(そうぶりかい)」の原因となり、傷痕が広がるリスクを大きく高めます。
傷痕を最小限に抑えるための術後の心得
抜糸が終わった後も、傷口の組織はまだ不安定な状態です。医師の指示に従い、テープ保護などで物理的な刺激や乾燥を避けることで、傷痕が盛り上がる「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」を防げます。違和感があれば自己判断せず、早めに受診しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:久野 賀子先生(PRIDE CLINIC 医師)
著者:神宮寺結月/30代女性・会社員
イラスト:アゲちゃん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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