フジ夫さんに「お礼がある」と言われて一緒に向かったのは、駅のロッカー。そこから取り出したのは、巨大なセイウチのぬいぐるみ! 予想外すぎるチョイスに、フジコさんは「迷惑!」と思うのですが、人目を気にせず純粋で無防備なフジ夫さんの姿に心を打たれてしまいます。このとき、フジ夫さんを愛でるべき「絶滅危惧種」に認定したフジコさん。しかしその後、フジ夫さんからの連絡はありませんでした。
その夏、フジコさんはフジ夫さんのあるウワサを耳にします。どうやらインドに行っているらしいと聞き……。
私は何をしているんだろう…












フジ夫さんからの連絡が途絶えた夏。
フジコさんは、彼についていろいろなウワサを耳にします。
「仕事辞めてインドに行ったんだって」
「修行僧になったらしい」
「帰ってこないらしい」
らしい、ばっかり……。
フジコさんの友人も、大学を辞めてインドに行ってそのまま……。
自分の意思で行動している人たち。
「私は……、何をしているんだろう……」
その間フジコさんは、友だちに紹介された「ちゃんとした人」とデートを繰り返します。
フジコさんもちゃんと、完璧な装いで。
いろいろな人に会いました。
ちゃんとした職業。ちゃんとした服装。ちゃんとした会話……。
「みんな良い感じなんやで。でも……、なんやろ……」
みんな「正解」を見せたい感じ? 私だって正解を見たいはずなのに、心が動かなかった……。
あんな人、いないな……。
心に浮かぶのは、フジ夫さんの姿……。
あかん、全然楽しくない! どうしよう……。
あいつ、ほんまに帰ってこないのかな……。
「正解」ばっかり探していた私には、この人は、だいぶ「不正解」で。
……でも、心のざわつきを、確かめずにはいられない人だったのです。
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周りが勧める「ちゃんとした条件の人」と、完璧な装いで繰り返すデート。「私だって正解を見たいはずなのに、心が動かなかった」というフジコさんの気付きに、共感した人もいるのではないでしょうか。
世間一般の基準から見れば、勧誘にだまされかけ、年季の入った車に乗り、突然インドに向かったらしいフジ夫さんは、この時代の「正解」とは違う人だったのかもしれません。けれど、「正解」ばかりを探していたフジコさんの心を揺らす存在だったのかもしれませんね。
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ナランフジコ