
「いい人紹介したいわ〜」の布石
「たまには夜も来なさいよ」とおかみさんから言われ、いつもランチしか顔を出していなかったこともあり、「たまにはいいかな」と深く考えず、夜の営業時間に定食屋へ行くことにしました。
店に到着すると、おかみさんは満面の笑みに。そして、わざとらしくこう言いました。「あら! ちょうどよかった! 彼も今日おひとりだから、せっかくなら一緒にどう?」と。
「ちょうどよかった」のセリフが大根芝居すぎて、このとき「あ、狙ってやったんだな」ということを察した私。紹介された男性も驚いていて、きっと何も聞かされていなかったのだと感じました。
そして、私は男性の隣で食事をすることに。男性は夜の時間の常連さんであり、「長年彼女がいない」と言っていました。なんだかんだで一緒に食事をし、おかみさんの前もあって、連絡先を交換しました。
おかみさんの「実績」は作れなかった
その後、彼とはメッセージでのやりとりや何度かデートもしましたが、趣味も休日の過ごし方も合わず、結局、関係が進展することはありませんでした。残念ながら、おかみさんの「実績」を作ってあげることはできなかったのです。
愛情と熱量だけは本物だったおかみさんには、心から感謝しています。ただひとつ、「お見合いならお見合いと、事前に教えてほしかった」とだけ、こっそり伝えたいところです。
善意の恋のキューピッドは、当事者の心の準備を置き去りにして、ひとり先を走ってしまうことがあると感じました。おかみさんが得意なのは、恋のお膳立てより「日替わり御膳」なのだと、しみじみ思った経験でした。
著者:岡田圭/30代女性・新卒で編集プロダクションに入社後、女性誌やウェブを中心に恋愛や人間関係などのテーマで数多くコラムを執筆。
作画:加藤みちか
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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