母と妹にお金を渡す夫
夫は昔から義母とA子に強く言えないようで、2人に「長男なんだから助けてよ」と頼まれるたび、お金を渡していました。私が苦言を呈しても、夫は笑ってごまかすだけです。
最初は「家族思いなのはいいこと」と思って許していました。けれど、私たちの将来を考えると、なるべく貯金は増やしていきたいところです。
ある日、私が「最近、お金を渡すことが多すぎない? うちだって余裕があるわけじゃないよね」と言うと、夫は面倒臭そうに「お前は冷たい鬼嫁だな。俺よりお前のほうが稼いでるんだから、これからはお前も小遣いをあげるべきだよ」と告げたのです。
その瞬間、私は気持ちが一気に冷めて離婚を考えるようになりました。
義妹の結納費用まで負担!?
そんな中、私と夫はA子から呼び出されました。
「私、結婚することになったの! 来月、結納をする予定だから」
相手は大企業の御曹司だそうです。後からわかったことですが、A子は婚約者の前ではわがままな態度を取らず、控えめで家族思いな女性を演じていたようです。ただ、おめでたいことには違いありません。A子が結婚すれば夫への依存も減るはずです。
ところが、A子は「結納の会場は高級料亭がいい!」と言い出し、費用の一部を夫に出してほしいと頼んできたのです。私が「結婚後はお金がかかるし、無理のない範囲にしたら?」と伝えても、A子は聞く耳を持ちません。結局、夫が会食費の半分を負担することになりました。
A子は「お義姉さん、私がうらやましいんでしょ? 私の婚約者、お兄ちゃんやお義姉さんよりずっと稼いでるからね」と言い、それ以来、私に対する態度が冷たくなりました。
結納当日、帰れと言われて…
迎えた結納当日。料亭に入ると、A子はいつにも増してそっけない態度でした。そして義母とA子はヒソヒソと話し、私に向かって「あなたは他人なんだから帰りなさい」「お兄ちゃんもそう思うよね? お義姉さんがいると嫌な気持ちになるの」と言い放ったのです。
私は夫の反応を待ちました。すると夫は「主役がそう言うなら……」とつぶやいたのです。その瞬間、私は我慢の限界を迎えて、ついに離婚を決意。「わかりました。お幸せに」と告げ、料亭を後にしました。
それから30分後、スマホを確認するとA子や夫から何度も着信が。出てみると、A子が「お義姉さん、戻ってきてよ! 彼が、お義姉さんがいないなら結納は進められないって言ってるの!」と慌てています。続けて義母も、「あなたがいないと困るの。お願い!」と言いました。
しかし私は、「先ほど他人だと言われたので、戻る理由はありません」と拒否。さらに「夫とは離婚するつもりです」と伝えました。電話を代わった夫は「ちょっと待ってくれよ!」と焦った様子でしたが、すぐに「頼むから来てくれよ。事情はあとで説明するから!」と懇願してきたのです。
私は迷いましたが、何が起きているのか確かめるため、料亭へ戻ることに。そこで、思わぬ事実を知ることになったのです。
義家族が私を呼び戻したワケ
なんと、A子の婚約者の父親は、私の父と旧知の仲でした。婚約者の父は、義母とA子の会話から私の旧姓を聞き、私にあいさつできると思ったそう。ところが会場に私の姿がなく、不審に思って事情を尋ね、私が義母とA子に追い返されたことを知ったようです。
A子の婚約者は、厳しい表情で「今日のことを聞いて驚きました。義理とはいえ家族の方をそんなふうに扱うなんて……。このまま結婚を進めるのは難しいです」と言いました。
A子は「いやだ! 絶対に結婚したい!」と泣き出しましたが、婚約者の気持ちは変わらず、結納は中止に。その後、婚約も白紙に戻ったそうです。
後日、私は夫と話し合いを重ね、正式に離婚しました。
それからしばらくして、私は会社から海外支店への転勤を打診されました。これまでは夫のことを考えて諦めていましたが、ずっと挑戦してみたかった仕事です。これからは自分の人生を大切にしながら、前を向いて歩いていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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