夫のことを家族に相談しても、信じてもらえない…
家にいるのにスマホばかり見て、息子のお世話も家事もしない夫。「息子のこと少しの間見ていてほしいんだけど」と頼んでも、嫌そうな顔をして動きません。
専業主婦の私は、休日だからといって休むことはできません。息子と遊んでくれれば掃除が捗るものの、「普段からマメに掃除してないからだろ? 俺の手を借りなきゃ掃除すらできないのか」と嫌みを言います。
一方、夫は私の母や妹の前では愛想が良く、家事や育児にも協力的な夫を装っています。そのため、母や妹からは「やさしくて頼りになる夫」と評判でした。
特に妹は「お姉ちゃんにはもったいないくらい素敵な人だよね」と夫をかばう発言を繰り返す始末。私が家での夫のひどい態度を話しても「お姉ちゃんの努力が足りないんじゃない?」と鼻で笑うだけで、誰も私の悩みを信じてくれませんでした。
「育児と家事は専業主婦の仕事だろ!」もう我慢の限界!
言い争いになるのは面倒なので、いつもはグッと堪えるのですが、このままでは息子の教育にも良くありません。意を決して、夫と話し合いをすることに。家事をもっと手伝ってほしいこと、息子と遊んでほしいこと、嫌みな態度は改めてほしいことを伝えます。
しかし、私の申し出に烈火のように怒り出した夫。「育児と家事は専業主婦の仕事だろ? 自分でやるのが当たり前なのに、手伝ってって何様だよ!」イライラする気持ちを抑えながらなるべく冷静に話すも、夫の怒りはおさまらない様子。
「俺の稼ぎにぶら下がってるだけのくせに、俺に意見するな!」
これにはさすがに我慢の限界。「子育てもできない、家事もできない……。ひとりじゃ何もできないくせに!」と言い返しました。
「俺にそんな口きいたこと、絶対後悔するからな! 俺、ハズレ嫁引いちゃったわ!!」
いつもの嫌みを言って、話し合いになりません。何を言っても態度を改めない夫に私もうんざり。今後のことを真剣に考え始めた矢先、思わぬ事件が起こります……。
夫が火事に遭って病院に搬送!?
ある夜、夫は「明日、朝から得意先で仕事があるから前乗りする」と言って出張に出かけました。しかし翌日、病院から連絡が入り、夫がアパート火災に巻き込まれて救急搬送されたと知らされます。幸い軽症とのことで、私は急いで病院へ向かいました。
救急外来で夫に会うと、気まずそうに目をそらすばかりでした。「命に別状がなくてよかった……。得意先で火事があったの?」私がそう尋ねても、夫ははっきり答えません。
「実は、病院の人から、アパートの火事だって聞いたんだけど。得意先に行くって言っていたよね? どうしてアパートの部屋にいたの?」
核心を突くと、夫は言葉に詰まり、しばらく黙り込んだあと、小さな声で答えました。「知り合いの……女性の部屋だ」問い詰めると、夫はその女性と以前から関係があったと認めました。
相手に直接話を聞こうと居場所を尋ねた、そのときでした。隣の処置スペースから、看護師と話す女性の声が聞こえてきたのです。「この声……まさか……」
確認しようと隣のカーテンへ近づくと、夫が突然、声を荒らげました。「カーテンを開けるな! 隣はいいから、放っておけ!」あまりにも必死な夫の様子に、疑念は確信へと変わりました。
夫の愛人、その正体は……
カーテンを開けると、なんとそこには、当てを受けている妹の姿があったのです。「どうして妹がここにいるの……?」愛人が妹だとは夢にも思わず、私はその場に凍りつきました。
「えっと……たまたま近くに来ていて……」
「そ、そう! ちょっと相談したいことがあって、来てもらっただけ!」
しどろもどろになりながら、必死に言い訳をする夫と妹。しかし、妹の部屋から2人そろって救助された以上、そんな話が通用するはずもありません。すると、救急外来の入り口から、慌てた様子の母が入ってきました。
「どういうこと……?」隣り合うベッドにいる夫と妹を見て、母も驚きが隠せないようです。私と母が問い詰めると、夫は以前から妹のアパートへ通っていたことを白状しました。
「言い寄られて、つい……」すると妹は、悪びれる様子もなく言い放ちました。「だって旦那さん、かっこいいし、お姉ちゃんより私のほうがお似合いだと思ったんだもん!」
なんでも欲しがる妹の行く末にニヤリ
妹は小さいころから私への対抗心が強く、私が持っているものはなんでも欲しがる性格でした。姉の夫を奪うことへの罪悪感すらない妹の態度に、私も母もあきれ果てて怒る気にもなれません。
母は「あんたって子は……。もう何もかも信用できないわ」と言いながら病室を後にしました。そして私は「もういい。夫はあなたにあげる。その代わり、2人にはたっぷりと慰謝料を請求させてもらうから!」と、言い放ちました。
しかし慰謝料という言葉を聞いた途端、夫の顔色がさっと青ざめました。妹はまだ事態を飲み込めていないのか、にこにこしたまま。2人の対照的な反応に、私は内心冷ややかな気持ちで病室を後にしました。
もちろん、私には未練などありません。夫は家事も育児もせず、家では私を見下してばかりのモラハラ男です。家族の前で見せていたやさしい姿が偽物だと、母にもようやく伝わってせいせいしました。
これから妹が夫と一緒に暮らしたら、どれほど苦労することになるのか……。姉の忠告を「努力が足りない」と嘲笑っていた妹が現実を知る日を想像すると、不謹慎ながら少しだけ笑みがこぼれたのでした。その後、私は夫と正式に離婚し、息子と穏やかな新生活を始めています。
◇ ◇ ◇
家族の前ではやさしく振る舞い、家庭では妻を見下していた夫。その外面の良さを信じていた家族も、思わぬ出来事によって本性を知ることになりました。さらに、姉のものを欲しがり続けてきた妹の行動も、今回の出来事で周囲との信頼関係を大きく損なう結果となりました。人を裏切ったり、誰かを傷つけたりする行いは、巡り巡って自分に返ってくるものなのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。