夫不在の場で義母が豹変
車で1時間ほどの場所に住む義母とは、少し折り合いが悪い状態が続いていました。特に義父が亡くなってからは、私に対する当たりが強くなっていたのです。
ある日、義母から「一緒に食事をしないか」と夫婦で誘われました。しかし当日、夫の病院で急患が入り、私だけが先に義実家へ向かうことになりました。義実家には義祖母も住んでいますが、この日、義祖母は友人と旅行に出かけていて不在でした。
インターホンを鳴らして義実家に入ったとたん、義母の態度は一変しました。強引に私の腕を引いて台所へ連れ込み、「ちょっと! 何ぼーっとしてんのよ! あんた、うちの嫁でしょうが! さっさと夕食の支度をしなさいっ!」と大量の食材を突きつけてきたのです。
あまりの剣幕に驚いた私は、エプロンをつけるふりをしてこっそりスマホのボイスレコーダーを起動。帰宅後、録音した音声を夫に聞かせました。
音声を聞いた夫は激怒し、すぐに義母へ電話をしてくれました。すると義母は手のひらを返したように平謝りし、「今度こそきちんともてなすから、また来てほしい」と懇願してきました。
私は少しちゅうちょしましたが、ある対策を講じたうえで、再び夫と一緒に義実家を訪れることにしました。
義母は反省したかと思いきや
再訪した日、義母は私に何度も謝罪の言葉を口にし、終始笑顔で接してくれました。夜も遅くなり、私たち夫婦はそのまま義実家に1泊することになりました。
しかし深夜、夫のスマホが鳴り、急患の対応で再び病院へ呼び出されてしまったのです。夫が家を出て私と義母の2人きりになったとたん、義母の態度が再び冷酷なものに変わりました。
「またコソコソ録音でもされたら困るからね」と、義母は半ば強引に私のスマホを取り上げました。そして、台所の床に薄い布団を放り投げたのです。
「あんたは台所で寝なさい! 嫁の寝床は台所で十分よ! 嫌なら寝なくていいから! 明日は4時起きで料理と掃除、洗濯全部やるように! 嫁なら黙って言うこと聞いてちょうだい! ちゃんと起きてるか見に来るから!」と言い、台所とリビングの電気を消して、自分の寝室へ入っていきました。
私は台所で途方に暮れていました。そして朝4時、本当に義母が私の様子を確認しに来ました。「おい、起きやがれ!」と乱暴に布団をめくり上げた義母ですが……。
布団の中はもぬけの殻。義母の背後には「あんた、お嫁さんに毎回こんなことしてるのかい?」と鋭い声が響きました。声の主は、義祖母でした。
本性が暴かれた義母の末路
実は、再び義実家を訪れるにあたり、私はオンライン教室を通じて義祖母に事情を相談していました。義祖母は、この日も義母には友人と「泊まりで出かける」と伝えていましたが、実は義実家の使っていない客間にずっといたのです。
幸い、義実家はとても広いので、義母は義祖母が家にいることにまったく気づきませんでした。私は真っ暗な中、物音を立てないよう義祖母のいる客間に避難し、事情を説明。そして義祖母は、義母が来るのを台所の暗がりで待ち構えていたのです。
義祖母は「私や孫(夫)の目を盗んでこんなひどいことを続けるなら、もうここで一緒に暮らすことは認められない! あんたには出てってもらうよ!」と一喝。
その後、急患対応を終えた夫が帰宅しました。夫は台所の布団を見て事情を察し、義母に今後は距離を置くと告げました。
義母は、「わかったわよ! そんなに邪魔なら出てってやるから!」と逆ギレ。そして、その勢いのまま本当に義実家を出ていきました。現在は小さなアパートでひとり暮らしを始め、生活費を稼ぐために定食屋のパートに出ているそうです。
一方の私は、夫とともに平穏で幸せな生活を送っています。義祖母とも変わらず良好な関係が続いており、ときどき一緒に出かけては楽しい時間を共有しています。
◇ ◇ ◇
「嫁だから言うことを聞いて当然」という考え方は、いまや通用しない時代です。家族だからこそ、立場や年齢にとらわれず、思いやりと敬意を持って関係を築いていきたいものですね。もし、理不尽な状況に直面したら、周囲の信頼できる人に相談したり、協力してもらったりして、状況の改善を図りたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。