「家賃を3カ月分滞納しています」突然の電話に困惑
当時の私は結婚を機に一人暮らしをしていたマンションを退去し、夫の実家で新生活を始めていました。
そんなある日のこと。自宅で家事をしていると、見知らぬ番号から電話がかかってきました。出てみると、マンションの管理会社だと言います。
担当者は少し硬い口調で、「家賃のお支払いについて確認したいことがありまして」と切り出しました。私は何の話なのか、まったくわかりませんでした。すると担当者は、こう続けました。
「現在、家賃を3カ月分滞納している状況です。このままお支払いがない場合、法的な手続きへ進む可能性があります」
真っ先に頭に浮かんだのは、半年前まで住んでいた一人暮らし用のマンションのことです。退去手続きは済ませたはずでしたが、何か手続き漏れでもあったのだろうかと思ったのです。
「えっ?でも私、半年前に引っ越していますが……?」
そう伝えると、今度は担当者が戸惑ったような声になりました。
「退去ですか?いえ、○○様(私)は契約者ではなく、連帯保証人として登録されています」
さらに担当者は、契約者本人と連絡が取れないため、保証人である私に連絡しているのだと説明しました。
知らないうちに保証人になっていた私
私は思わず言葉を失いました。保証人を頼まれた記憶も、引き受けた記憶もありません。
混乱したまま契約者の名前を尋ねると、担当者が口にしたのは、以前勤めていた会社の元同僚・A子さんの名前でした。A子さんとは同じ部署で働いており、仕事帰りに食事へ行ったり、職場で雑談をしたりすることはありました。しかし、私が退職してからは連絡をとることもなく、近況すら知りませんでした。
それなのに、なぜそんな人の保証人になっているのか、まったく理解できません。
私は事情を説明し、自分は保証人になることを承諾していないこと、そして今回の話自体が初耳であることを管理会社へ伝えました。すると、担当者は状況を確認すると言い、その日の電話は終わりました。
しかし、その後もしばらく落ち着きませんでした。もし本当に私の名前が使われていたら――。そう考えると、不安で仕方がなかったのです。
発覚した元同僚のウソ
数日後、管理会社から再び連絡がありました。詳しい契約内容は教えてもらえませんでしたが、申告内容に問題があることが確認されたそうです。
そして、その日の夜。
今度はA子さん本人から電話がかかってきました。A子さんは開口一番、「本当にごめんなさい」と謝罪しました。そして、私の名前や連絡先を無断で使っていたことを認めたのです。
話を聞くと、A子さんは当時、借金の返済に追われており、頼れる家族もいなかったそうです。保証人をお願いできる相手が見つからず、焦っていたのだと話していました。その結果、勝手に私の情報を記入してしまったのだとか。
「迷惑をかけるつもりはなかった」
そう言われても、私としては納得できませんでした。頼まれてもいないのに保証人にされ、突然家賃滞納の連絡まで受けたのです。
私は「二度と私を巻き込まないでください」とだけ伝え、電話を切りました。
婚約者にも知られた結果…
それからしばらくして、共通の知人からA子さんの近況を聞きました。実はA子さんには、結婚を前提に交際している婚約者がいたそうです。
ところが今回の件をきっかけに、借金の存在や家賃滞納だけでなく、私の名前や連絡先を無断で保証人欄に記載していたことも婚約者に知られてしまったのだとか。
婚約者は、一連の経緯に大きなショックを受けたそうです。そして最終的に、結婚の話は白紙になったと聞きました。
もちろん婚約解消は喜ぶような話ではありません。それでも、自分の都合で他人の名前を使った以上、信頼を失ってしまったのは当然の結果だったのかもしれません。
今回の出来事を通して、個人情報は自分が思っている以上に大切なものなのだと実感しました。まさか自分の名前や連絡先が勝手に使われるとは思ってもいませんでしたが、改めて個人情報の管理について考えさせられた出来事です。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!