初産、なかなか進まないお産
31歳で初めての妊娠。おなかの赤ちゃんも順調に育ち、経腟分娩の予定で臨月を過ごしていました。妊娠37週のある夜に破水。両親と一緒にタクシーで病院へ向かいました。
規則的ではありませんでしたが、おなかの強い張りも感じていたため、そのまま陣痛室に入りました。しかし、なかなかお産は進まず、痛みに耐えながら12時間。体力的にも厳しくなってきたころ、やっと子宮口が全開大になりました。何度かいきむのを繰り返し、意識がもうろうとするなか聞こえた先生の声。「それじゃ、ちょっとお手伝いするね~」。
「パチン!!」これが会陰切開かぁ!
先生の声のあとすぐに「パチンッ!」という大きな音が聞こえました。それこそ、会陰切開をした音だったのです。そのあまりの大きい音に、意識が薄れていた私も、怖くて目が覚める思いをしたことを覚えています。
かなり大きく切開されたように感じましたが、その場所が直接痛むという感じではなく、赤ちゃんが産道をグリグリと押して出てくる出産の痛みのほうが、断然つらいものでした。無事に長男を出産……闘いはやっと終わったのです。
会陰切開、その後の経過
会陰切開後の処置は出産時と同じ体勢、つまり分娩台の上で足を広げたままおこなわれます。会陰切開の傷の縫合は、早くきれいに治るよう細かく丁寧に縫うそうです。また、なるべく縫い目が内側になるよう縫い合わせるため、「傷口も目立ちにくいよ!」と先生が教えてくれました。
出産の次の日にはシャワーも浴びることもでき、傷口がひどく痛むことはありませんでした。さらに、縫い糸は体に吸収される糸が使われていたため、抜糸の必要もなく、順調な産後の経過をたどることができました。
会陰切開時の「パチンッ!」という音と、大きく切られたような感覚に反し、あまり痛みを感じることもなく、産後も順調に回復しました。その瞬間はすごく恐怖を感じた会陰切開でしたが、安全な出産のためには必要な処置であったことを、身を持って体験しました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。産院・病院によって対応が異なることがあります。
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監修/助産師REIKO
著者:鍜治すみの
生後6カ月と2歳、2男の母。長男妊娠時の切迫早産により、9年続けた製薬会社のMR職を退職。前職では主に産婦人科領域製剤を担当。培った知識をフルに活かし執筆活動や育児に奮闘中。