妻と友人に裏切られ、宿を追われた日
旅館の婿として、私は日々お客様のために奔走していました。しかし、女将である妻は大変な仕事を私に任せきり。あろうことか、私の友人と不倫関係になっていたのです。
ある日、妻は私を呼び出すなり、「彼を跡取りにするから、あなたはもう不要。なるべく早く出て行って」と冷たく言い放ちました。友人だと思っていた男も、隣でニヤニヤと笑っています。
本来なら旅館を取り仕切る大女将は入院中で、妻を止められる人はいません。長年尽くしてきた宿を理不尽に奪われた私は、荷物をまとめ、旅館を去るしかありませんでした。
従業員が次々と…身勝手な女将に大反発!
しかし、事態は思わぬ方向へ動きます。私が追い出されると知った従業員たちが、女将の身勝手なやり方に猛反発したのです。
「こんな女将の下では働けません!」
そう言って退職を申し出たのは、長年厨房を支えてきた料理長と、現場をまとめていたベテランの仲居たちでした。彼らはもともと、近隣の旅館や飲食店から声をかけられていたそうです。それでも大女将への恩義と、この旅館への愛着から、これまで残ってくれていました。
しかし、妻の身勝手な振る舞いを目の当たりにし、ついに気持ちが切れてしまったのでしょう。やがて料理長やベテランの仲居たちは、それぞれ新しい職場へ移ることに。
その後すぐ、私たちは離婚。そして私も、以前から付き合いのあった宿の支配人から「うちで一緒に働かないか」と声をかけていただき、新たな場所で再スタートを切ることになりました。
リニューアルした旅館…しかし評判は!?
料理長やベテランの仲居たちを失った元妻と友人は、「老舗の名前さえあれば客は来る」と高をくくっていました。彼らはいったん宿を閉め、「リニューアルオープン」と称して派手な改装をおこない、急ごしらえの新人スタッフを集めて営業を再開しました。
しかし、現実は甘くありませんでした。見た目だけはきれいになったものの、旅館を支えてきた人たちが抜けた穴は大きく、現場は思うように回らなかったのです。マニュアル通りにしか動けない新人スタッフだけでは、常連客の好みを覚えた接客や、細やかな清掃、料理の仕上がりにまで気を配ることはできません。
結果として、長年の常連客からは「料理の味が変わった」「以前のような温かい接客ではなくなった」とクレームが相次ぐように。SNSでも悪評が広がり、旅館の評判はどんどん落ちていきました。
元妻の旅館は経営難に…私が出した答えは
対照的に、私や元従業員たちがそれぞれ移った温泉街の店や宿では、心のこもったもてなしが評判を呼び、リピーターが少しずつ増えていきました。
元妻の旅館はその後も評価が下がり続け、経営が行き詰まり、残されたのは多額の借金だけ。元妻と不倫していた友人も、金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、あっさり姿を消したそうです。
限界を迎えた元妻は、私のもとへやってきて「お願い、戻ってきて! 一緒に立て直しましょう」と泣きついてきました。しかし、私はきっぱりと拒否しました。
「お客様も、一緒に働く従業員も大切にできない宿に戻る気は一切ない」
そう告げると、元妻はその場に崩れ落ちました。
現在、私は新しい居場所と仲間を得て、毎日充実した人生を歩んでいます。風のうわさで、大女将の容態が少しずつ良くなっていると耳にしました。あの旅館にはたくさんの思い出があります。だからこそ、いつか大女将と元妻が力を合わせ、また多くのお客様に愛される宿を取り戻してほしいと願っています。
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どれだけ立派な看板や歴史があっても、支えてくれる人やお客様を大切にできなければ、信頼はあっという間に失われてしまいますよね。身近で支えてくれる人への感謝を忘れず、謙虚な姿勢を大切にしていきたいですね。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。