彼氏を妹に奪われて
私は大学時代、二つ年上の先輩と交際していました。彼の就職が決まったころ、私たちは結婚を見据えて同棲を考えるようになりました。
同棲の前に両親へ挨拶をしようという話になり、ある日、彼を実家へ連れて行きました。そのとき、久しぶりに妹とも顔を合わせたのです。
挨拶自体は何事もなく終わりました。しかし翌月ごろから彼と連絡がとりづらくなり、ある日突然別れを切り出されたのです。理由を聞くと、実家へ行ったあとから妹と連絡をとるようになり、何度も会ううちに妹を好きになったと打ち明けられました。
ショックは受けましたが、不思議と涙は出ませんでした。私は「わかった」とだけ告げ、それ以上引き留めることはしませんでした。
その後、両親にはすべてを話しました。両親も妹の行動にあきれ、私と妹はほぼ絶縁状態になったのでした。
仕事に打ち込み、新しい出会いが
私は気持ちを切り替え、勉強と就職活動に集中しました。大学卒業後は希望していた会社へ就職。仕事にもやりがいを感じるようになりました。
そんな中、仕事を通じて今の夫と出会ったのです。夫は派手なタイプではありませんが、穏やかで誠実な人です。
私たちは交際を経て結婚しましたが、妹とは連絡をとっていなかったため、そのことを伝える機会はありませんでした。
結婚式当日にかかってきた電話
そんなある日、妹から結婚式の招待状が届きました。相手は、かつて私が付き合っていた男性です。
出席するべきか悩み、両親にも相談しました。すると両親は、「無理に関わらなくていい」と言ってくれたのです。しばらく考えた末、私は欠席することにしました。
そして迎えた妹の結婚式当日。夫と自宅でのんびり過ごしていると、突然妹から電話がかかってきました。
電話に出ると、妹は上機嫌な声で「今日が私たちの結婚式だって知ってるでしょ?」と言いました。さらに、「なんで来なかったの?二次会だけでも来てよ」と続けたのです。
その声を聞いているうちに、妹は幸せな自分を見せつけたいだけなのだとわかりました。
そこで私は、「わかった。じゃあ夫と一緒に行くね」とだけ伝えました。電話の向こうから「え?夫って……結婚したの?」という声が聞こえましたが、私はそれ以上何も言わずに通話を終えました。
妹が顔色を変えた理由
夫と二次会会場へ向かうと、妹は私たちを見つけて近寄ってきました。そして夫の姿を見るなり、「へぇ、この人が旦那さんなんだ。お姉ちゃんとお似合いだね」と、どこか見下すような口調で言ったのです。
たしかに夫は、高級ブランドを身につけたり、派手に着飾ったりするタイプではありません。妹には地味な男性と映ったのでしょう。
ところが、その直後でした。新郎側の友人らしき男性が夫を見るなり、驚いたように声をあげたのです。
「あれ!?社長じゃないですか!」
夫は苦笑いしながら挨拶を返しました。その男性は夫の会社で働いている社員だったのです。
「社長……?」
そうつぶやいた妹の表情が、一気に曇ったのを今でも覚えています。
他人と比べ続けた妹の末路
それからしばらくして、母から妹夫婦が別居していると聞きました。理由を尋ねると、妹は結婚後も他人と自分を比べることをやめられなかったそうです。
特に私の結婚相手が会社経営者だと知ってからは、「なんでお姉ちゃんばかり」「どうしてあなたはそんなに稼げないの?」などと夫である元彼に不満をぶつけるようになったのだとか。当然、夫婦仲は悪化していったようです。
一方の私は、今も夫と穏やかな毎日を送っています。幸せは誰かと比べて手に入れるものではありません。人のものを奪っても、本当の幸せにはつながらないのだと実感した出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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