弟想いのお姉ちゃん
小さい子が大好きな娘は、息子がまだおなかの中にいるときからずっと生まれてくるのを楽しみにしてくれていました。赤ちゃん返りをすることも一切なく、息子が泣いたらすぐに駆けつけ、絵本を読んだり、おもちゃであやしたり、子守歌を歌ったり、おむつを替えてくれたりと、小さな体で一生懸命にお世話をしてくれています。
本当にやさしくて愛情深いお姉ちゃんになってくれて、2人の子どもたちのおかげで私も夫も毎日すごく幸せで穏やかな気持ちにさせてもらっています。
お姉ちゃんにもご褒美を
息子が生まれてからランチなど近場に出かけることはあっても、ゆっくり時間をかけて娘を遊びに連れて行ってあげることができませんでした。口に出しては言わないものの、きっとたくさん我慢してくれているであろう娘のことがずっと気になっていました。
息子が生後5カ月になって授乳間隔も空くようになり、お天気も暑すぎず寒すぎず過ごしやすい季節。「お出かけするなら今しかない!」。日頃お姉ちゃんとして頑張ってくれている娘にご褒美をあげたくて、息子も連れて電車に乗って少し遠くへお出かけすることにしました。
3人だけでお出かけ
お出かけ当日。夫の仕事が忙しく休日出勤することになってしまい、急きょ私と子どもたちだけでのお出かけに変更。今思えば、そもそも3人だけで出かけたのが無謀だったのかもしれません。
でも、久しぶりのお出かけを楽しみにしている娘をがっかりさせたくなくて、決行! 行き先は、自宅から電車で40分の娘が大好きな動物園。いろいろな動物を見ては大はしゃぎする娘。楽しそうな姿が見られて、連れてきた甲斐があったとうれしくなりました。
帰り道の電車内で息子が大号泣
半日かけて広い園内をたくさん歩き回り、娘も私もくたくた。娘の足取りは重く、一度座ったらなかなか腰が上がらない様子。夫がいれば娘を抱っこしてもらえるけれど、今は私ひとり。授乳してから帰るつもりでしたが、抱っこひもの中で息子はぐっすりお昼寝中。
今のうちに急いで帰って、娘も休ませながら家でゆっくり授乳をしようと思ったのが間違いでした。電車に乗って10分も経たないうちにおなかをすかせた息子が大号泣。次の駅で降りたものの授乳室が近くに見つからず。仕方なく駅のホームで抱っこひもの上からケープをかけて授乳をしました。
そもそも小さな子ども2人に対して大人は私ひとりだという自覚が足りなかったのかもしれません。ましてや息子を連れたお出かけは初めて。もっと時間的にも体力的にもゆとりを持って、いろいろなトラブルを想定しておくべきでした。次にお出かけするときには、娘も息子も満面の笑みで帰宅できるように、ゆとりを持った計画を立てようと思います。
イラスト/さくら
監修/助産師 松田玲子
著者:近藤あいこ
5歳女児と0歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。