初めての葬儀準備
わが家は核家族で、これまで身近な家族を亡くしたことがありませんでした。葬儀についての知識もなく、準備もしていませんでした。
父が亡くなったときは、病院で急いで葬儀社や式場の手配を進め、あれよあれよという間に話が進みました。悲しむ余裕もなく、やるべきことだけが次々と押し寄せてきます。
これまで参列した葬儀は、本家の祖父母のときだけでした。当時はまだ幼く、どこか他人事のように感じていた自分を思い出します。あのころとはまったく違う現実が、目の前にありました。
お寺との思わぬ壁
父は生前、自分でお墓を建て、仏壇も用意していました。誰も入っていないお墓には開眼供養(いわゆる魂入れ)も済ませていましたが、お寺と継続的なお付き合いはありませんでした。
そのためか、いざ葬儀をお願いした際には、最初は断られてしまいました。家族と斎場の方で改めてお願いし、ようやく引き受けていただけることになりました。
自宅での仮通夜の準備も、斎場の方に言われるとおりに進めましたが、そのときのことは正直よく覚えていません。それほど気持ちに余裕がなかったのだと思います。
5分の差で知ったこと
打ち合わせを終えたものの、わずか5分の差で新聞のお悔やみ欄に通夜の案内を載せることができませんでした。
そのときは、そこまで気にしていませんでした。しかし後日、葬儀に参列できなかった方々が自宅まで足を運んでくださり、「お悔やみ欄に載っていれば、そのときに伺えたのに」と声をかけてくださいました。
その言葉を聞いたとき、胸の奥に重いものが残りました。慌ただしさの中でも、必要な連絡は最優先にしなければならなかったのだと実感しました。
まとめ
突然の別れによって、悲しむ間もなく多くの決断を重ねる時間になりました。その中で、ほんのわずかな時間の差でも、あとから心に残ることがあるのだと知りました。あの日の経験は、慌ただしい状況でも大切な連絡を見落とさないという教訓として、今も心に残っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山田花子/50代女性・無職
イラスト;ゆる山まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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