「急用ができたからお願い!」
義姉夫婦が地元へ戻ってきて間もないころのことです。ある日私が家で仕事をしていると、突然インターホンが鳴りました。玄関を開けると、義姉夫婦と3人の子どもたちが立っています。
「急用ができたから30分だけお願い!」
そう言うと、子どもたちを残して慌ただしく出かけていきました。ところが30分経っても戻らず、「もう少しかかる」「渋滞してる」と連絡があり、迎えに来たのは約3時間後でした。
私たちにはまだ子どもはいませんが、私は子どもが大好き。甥っ子たちと遊ぶこと自体は嫌ではありませんが、仕事中となると話は別です。その日は何度も仕事を中断することになり、予定していた作業はほとんど進みませんでした。
その出来事をきっかけに、「買い物だけ」「病院だけ」と言って預けられることが増えました。仕事にも支障が出るようになり、私の負担は大きくなる一方です。
それでも義姉は悪びれる様子もなく、「家にいるなら仕事しながら見られるよね?」「家族なんだから助け合いでしょ」と言うばかり。義母も何度か注意してくれましたが、義姉は「それくらいいいでしょ」と聞く耳を持ちませんでした。
「今年は5日間お願い!」
さらに夏休みになると、「子どもたちの夏休みの思い出にもなるから」と頼まれ、一泊二日で預かることが恒例になっていきました。義両親も一緒に面倒を見てくれていたこともあり、「夏休みくらいは」と私たちも協力していたのです。
ところが、その年は違いました。ある日、義姉夫婦が笑顔でやって来てこう言いました。
「明日から海外旅行なの。子どもたちはパスポートを作ってないから、今日から5日間お願いね!」
あまりに当然のような口ぶりに、私は思わず固まってしまいました。
「ごめんなさい。今年は無理です。明日引っ越しなので」
私がそう答えると、義姉は「えっ?そんなの聞いてない!」と不満そうな表情。実は私たちは翌日に引っ越しを控えていました。在宅ワーク用の仕事部屋を確保できる家へ住み替えることになり、その日は荷造りの真っ最中だったのです。
「本当に今日は無理です。こういう大事なことは、もう少し早く相談してもらえたらよかったのですが……」
そう伝えても、義姉は「去年だって預かってくれたじゃない!今さら断るなんてひどい!もうホテルも飛行機も予約してるのに!」と言い放ちました。
そして子どもたちを家の中へ入れ、「じゃあお願いね」と言って荷物を玄関へ置くと、そのまま夫婦で立ち去ろうとしたのです。
頼みの綱だった義父母も…
ちょうどそのタイミングで、新居で使う家具を一緒に見に行く約束をしていた義父母が訪ねてきました。玄関先のただならない雰囲気に気づいた義父が、「どうしたんだ?」と事情を尋ねたのです。
一連の経緯を聞いた義父は、「親なんだから、自分の子どもの面倒は自分で見なさい」と静かに言いました。続いて義母も、「今までは無理のない範囲で協力してきたけど、それを当たり前にされるのは違うわ」ときっぱり。
義姉は信じられないという表情で、「え、お父さんもお母さんも預かってくれないの?」と声を上げました。しかし義父は首を横に振り、「今回は私たちも預からない」と断言。すると夫も、「無理に置いて行くなら、こちらもしかるべきところに相談するしかないよ」と冷静に告げたのです。
その言葉を聞いた義姉夫婦は顔を見合わせ、それ以上何も言えなくなったのです。結局、翌日の海外旅行はあきらめるしかなかったようです。
ようやく穏やかな毎日に
その後、私たちは予定どおり引っ越しました。仕事部屋もでき、以前より仕事に集中できるようになり、夫婦ともに穏やかな毎日を過ごしています。
義姉から何度か「少しだけお願い」と連絡はありましたが、そのたびに夫がきっぱり断ってくれたため、突然子どもたちを預けに来ることはなくなりました。今ではお互いに適度な距離を保ちながら付き合っています。
子どもが好きだからといって、いつでも預かれるわけではありません。家族だからこそ相手の事情を思いやり、無理なことはきちんと相談することが大切なのだと実感した出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!