プレッシャーから逃げたい気持ちは理解できましたが、夫の態度は徐々に冷たくなっていきました。
帰宅が深夜になることも多くなり、ある日、かすかに女性用の香水のにおいをまとって帰ってきたのです。私が不自然な行動について問い詰めると、夫は顔を真っ赤にして逆ギレし、逃げるように自室へこもってしまいました。
その不自然な動揺ぶりを見て、私は夫の裏切りを確信しました。
夫の不倫相手が自宅に突撃
それから数日後の週末、なんと見知らぬ若い女性が自宅を訪ねてきました。彼女は夫の不倫相手でした。夫がなかなか離婚の話を進めないことに痺れを切らした彼女は、私と直接話すために突撃してきたと言うのです。
さらに驚くことに、彼女は妊娠していることも告げてきました。そして、私に向かって「離婚して彼をもう解放してあげて♡」と言い放ったのです。
突然の出来事に驚きはしましたが、不思議と頭は冷静でした。不誠実な夫への愛情はすでに冷めきっており、私は静かにこう返しました。
「いいよ! 今すぐ離婚するね」
まさかの即答に、彼女はポカンと口を開けていました。そんな彼女の間の抜けた表情を見ながら、私は心の中で「この後が楽しみです♡」とほくそ笑んでいました。
夫の思惑
その日の夜、私は帰宅した夫に昼間の出来事を伝えました。夫は不倫相手が家に来たことにひどく動揺していましたが、結局、夫は観念して不倫を認め、「離婚したい」と言ってきました。
はらわたが煮えくり返る思いでしたが、私はあえて涼しい顔で離婚協議を進めました。私があっさりと離婚に応じたため、夫は「本当にいいのか?」と拍子抜けした様子でした。
離婚にあたり、私は夫と不倫相手の双方に慰謝料を請求しました。減額には応じないと伝えると、夫は不倫相手へ電話をかけ、相談を始めました。そして「俺が親から引っ張って、俺が2人分まとめて払うから心配するな」と彼女をなだめていたのです。
義父は地元で手広く事業を展開する会社の社長で、夫もその会社で働いていました。幼いころから裕福で甘やかされて育った夫は、どうやら「親に頼めばなんとかなる」と考えているようでした。不倫という自らの行いの代償すら、自分の力で責任を取ろうとしない夫の甘さに、私は心の底からあきれました。
数週間後、無事に離婚届を提出し、私は最低限の荷物をまとめて家を出ました。荷造りの最中、元夫に会いにきた不倫相手と鉢合わせましたが、私は笑顔で家を去りました。2人からすれば私は、捨てられたかわいそうな妻、そして、夫を奪われた敗者……。
しかし、笑顔の私を見た2人は不思議そうな顔で見送っていました。実は、私にはある「秘密」があったのです。
元夫の悲惨な末路
離婚から少し経ったある日の朝、私は元義父の会社にいました。そこで出社してきた元夫とばったり鉢合わせたのです。私と一緒にいる人物を見て、元夫は目をまん丸くして驚愕しました。私と話していたのが、社長である元義父だったからです。
実は私は、パートと家事の合間にSNS運用やWebマーケティングの勉強を重ね、個人事業主として収益化に成功していました。その実績が評価され、数カ月前から元義父の会社のPR業務を業務委託で請け負っていたのです。この日は、今後の契約についての打ち合わせで会社を訪れていました。
元夫は、元義父に「新規事業を立ち上げるから資金を貸してほしい」と嘘をつき、そのお金を私への慰謝料に充てようと企んでいました。しかし、私が事前にすべてを元義父に話していたため、その嘘はすでにバレていました。
元義父は、「お前が言っていた新規事業とは、不倫の慰謝料のことか?」と元夫にひと言。出社時間帯だったため、周囲の社員たちにもその会話は筒抜けになり、元夫は社員たちの前で大恥をかくことになりました。
当然、元義父が慰謝料を肩代わりするはずもなく、元夫は次期社長の座も白紙に。親子の縁も切るほどの勢いで見放されたそうです。人生で初めて親の援助を絶たれた元夫は、借金をして私に慰謝料を支払う羽目になりました。
さらに、元夫の実家の財力や肩書が目当てだった不倫相手は、元夫が援助も将来の地位も失ったと知るや否や、あっさり別れを告げて姿を消したと聞きました。妊娠も私に離婚させるための嘘だったそうです。元夫が今どうしているかは知りませんが、自業自得とはいえ、これからは自分の力で責任を負う人生を学んでほしいと思います。
現在、私は元義父の会社からの仕事も軌道に乗り、忙しくも充実した毎日を送っています。いつか子どもを持つ未来にも憧れますが、今は自分の足でしっかりと立ち、平穏に暮らせるこの日々に心から幸せを感じています。
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夫婦で妊活を頑張っていたはずが、プレッシャーや温度差からすれ違ってしまうケースは少なくありません。なかなか結果が出ない苦しさから、現実逃避をしてしまいたくなる気持ちも理解できますが、その逃げ道として不倫に走るのは決して許されることではありません。そんな苦しいときこそ、夫婦で気持ちを共有し、乗り越えたいものです。夫婦の危機に直面したときは、取り返しがつかなくなる前に、お互いの弱さや本音をさらけ出して話し合う時間を持ちたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。