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「家族なんだから家で見るべきだ」倒れた義母の介助を丸投げした夫。限界を迎えた妻が下した決断

私は5歳の娘の母で、普段は会社員として時短勤務で働いています。夫も会社員ですが、家事や育児は私に任せきり。それでも、何とか3人で暮らしていました。そんなある日、明るくてユーモアのある大好きな義母が倒れたとの連絡が入り……。

 

救急搬送された義母

義母が倒れたと聞き、私と娘は慌てて病院へ向かいました。医師の説明によると、義母は脳血管疾患で、救急搬送された直後は、意識がもうろうとしていたそうです。

 

命に別状はありませんでしたが、数日たって意識がはっきりしてからも右半身に力が入りにくく、自力で起き上がったり歩いたりするのは難しい状態でした。しばらく入院してリハビリを続ける必要があり、退院後も着替えや移動、排せつ、入浴などに見守りや介助が必要になる可能性があるとのことでした。

 

私は大きなショックを受けましたが、さらに驚いたのは、夫と義父の反応です。義父は「面倒なことになったな。病院代だってかかるだろう」とため息をつき、夫も「しばらく入院ってことは、父さんの面倒は誰が見るんだよ」と不満そうに言いました。

 

私は耳を疑いました。義母の体を心配する言葉より先に出てくるのが、お金や自分たちの生活のことだったからです。

 

そして夫は、「母さんが退院するまで、父さんはうちに来ればいいんじゃないか」と、私に相談もなく義父との同居を提案しました。義父も「それがいい」と乗り気です。

 

正直、私は戸惑いました。しかし、義父はこれまで家事のほとんどを義母に任せていたため、ひとりで生活できるのか不安もありました。義母が安心して療養できるよう、ひとまず期間を決めて義父をわが家へ迎えることにしたのです。

 

退院後の生活まで私任せに

ところが、義父を迎え入れてから私の負担は一気に増えました。

 

義父は義母のお見舞いにほとんど行かず、医師からの説明を聞くのも、入院中に必要な物を届けるのも、洗濯物を受け取りに行くのも私任せ。夫も実の母のことなのに、私が病院へ行っても病状を尋ねることすらほとんどありませんでした。私は仕事、家事、育児、病院通いに加えて、義父の食事や身の回りの世話まで抱えることになったのです。

 

数カ月後、義母の退院が決まりました。私は心からほっとしましたが、夫と義父は喜ぶどころか渋い顔をしました。

 

義父は「まだひとりで動けないんだろう? こっちの負担も考えてほしいよ」と言い、夫も「じゃあ、母さんも一緒に暮らすしかないな。お前のほうが時間の融通が利くんだから、退院後の世話や手助けは頼んだぞ」と、まるで私がすべてを引き受けて当然という口ぶりでした。

 

私は「退院後の生活について、まずは地域包括支援センターや病院の相談窓口に相談したほうがいいんじゃないですか。家族だけで抱え込むより、使える支援を確認したほうがいいと思います」と提案しました。

 

しかし、義父は「外の人に頼るなんて、近所に何を言われるかわからない」と不満そうに言いました。夫も「家族なんだから、まずは家で見るべきだろ」と言うだけで、自分が何をするのかはまったく話そうとしませんでした。

 

結局、義母の退院後の生活を整えるため、しばらくは義実家を生活の中心にすることになりました。義父が「母さんは慣れた家に戻したほうがいい。ただ、俺ひとりで面倒を見るのは無理だから、お前たちも来てくれ」と強く言ったためです。

 

義実家は自宅から車で20分ほどの距離で、娘の保育園や私の職場にも何とか通える範囲でした。自宅から最低限必要な荷物だけを運び込み、退院直後の数週間は、義実家で寝泊まりする日を増やすことにしたのです。

 

しかし退院当日、夫と義父は朝から用事があると言って姿を消しました。病院から義母を連れて帰る手配も、部屋の準備も、すべて私がすることに。娘も小さな手でタオルを運んだり、「おばあちゃん、ここに座る?」と声を掛けたりしてくれました。

 

一方で夫と義父は、帰宅後も義母の部屋に顔を出そうとしません。

 

「どうせ寝てばかりだろう」

「こういう世話は女のほうが向いているんだから、細かいことは頼むよ」

 

そんな言葉を聞くたび、私の中で何かが冷めていきました。

 

 

義母が聞いていた本音

ある日の夕方、義母が隣の部屋で休んでいる間、夫と義父は居間でまた不満をこぼし始めました。襖を閉めて声を落としているつもりだったようですが、古い家なので話し声は思った以上に響いていました。

 

「母さんが倒れてから、家の中が面倒なことばかりだ」

「入院費もかかるし、この先の世話にも金がかかるんだろ。勘弁してほしいよな」

 

あまりにもひどい言葉に、私はその場で言い返そうとしました。すると、そばにいた娘が小さな声で「おばあちゃん、かわいそう」とつぶやいたのです。

 

そのとき、義母の部屋のほうから静かな声がしました。

 

「……今の話、聞こえていたよ」

 

夫と義父は、はっとしたように言葉を失いました。義母は右半身に力が入りにくく、まだ自力で動くことは難しい状態でしたが、意識ははっきりしていました。2人は、義母が部屋で横になっているから聞こえていないだろうと勝手に思い込んでいたのです。

 

義母は普段こそ明るく穏やかな人ですが、昔から家計や親族付き合いを支えてきたしっかり者です。義実家も義母が実家から受け継いだ家で、義父は家事も家計管理もほとんど義母に任せきりでした。夫も、困ったときには何かと義母を頼ってきた人です。

 

その義母に、自分たちの本音を聞かれてしまったのです。義父は慌てて義母の部屋へ行き「いや、本気で言ったわけじゃない」と取り繕いましたが、義母は何も言いませんでした。

 

義父に続いて夫も義母の部屋へ向かい、私と娘も後から入りました。すると義母は、義父を見つめながら、静かに言いました。

 

「私はもう、あなたの生活まで背負わない自分の体のことも、これからの暮らし方も、自分で決めます」

 

支え合う暮らしを選んで

その後、義母は私に向かって「あなたや孫に無理をさせたくない。リハビリを続けながら、安心して過ごせる場所を探したいの」と、自分の意思をはっきり話してくれました。

 

そこで本人の希望を尊重し、まずは地域包括支援センターに相談しました。市区町村の窓口で要介護認定の申請を進め、親族とも話し合いながら、義母が安心して過ごせる環境を少しずつ探していきました。

 

要介護認定の申請や施設探しには時間がかかりました。その間は親族にも協力を頼み、使える支援を確認しながら、私ひとりが抱え込まない形で義母の生活を支えることにしました。

 

そして私は、義母に寄り添うどころか、私へ負担を押し付けようとしていた夫との生活を見直すことにしました。娘のことを考えると簡単な決断ではありませんでしたが、家族の大変な場面で責任を引き受けようとしない人と、この先も安心して暮らしていけるとは思えませんでした。

 

夫とは距離を置いた上で話し合いを重ねました。しかし夫は、義母のことも義父の生活のことも、結局は誰かが何とかしてくれると思っているようでした。何度話し合っても変わらない夫の姿勢を見て、私は最終的に離婚を選びました。親権や養育費、親子交流についても話し合い、娘は私と暮らすことになりました。

 

要介護認定の結果や義母の希望、費用面も踏まえて相談を重ね、数カ月後、リハビリや生活の支援を受けられる入居先が決まりました。

 

義母の家についても、義母本人の希望を確認しながら、親族と今後の管理方法を話し合うことになりました。義母と義父、夫、親族で今後の生活について話し合った結果、義父は義母の家を離れ、夫が借りたアパートで夫と暮らすことになりました。

 

しかし、これまで家事や身の回りのことを義母任せにしてきた2人の生活は、思うようにはいかなかったようです。食事や洗濯、掃除をめぐって言い争いになることも多いと、親族から聞きました。

 

そして私と娘は、夫が出ていった家に2人で暮らしています。離婚をして家族の形は変わってしまいましたが、今でも定期的に義母を訪ねて施設へ面会に行っています。義母はいつもうれしそうに「ここでは自分のペースで生活できる」と話してくれています。

 

今回のことで、家族という言葉に甘えて、誰かひとりに負担を寄せてしまう関係は長く続かないのだと痛感しました。私はこれからも、娘の生活を守りながら、義母との関係を大切にしていきたいと思っています。すべてを抱え込むのではなく、必要な助けを借りながら、自分たちらしい暮らしを続けていきます。

 

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義母を心配して動いていた主人公に対し、夫と義父が気にしていたのは自分たちの不便ばかりでした。誰かのやさしさや責任感に甘え続ける関係は、いつか限界を迎えるものなのかもしれません。義母が自分のために暮らし方を選び、主人公も娘との生活を守る決断をした姿に、家族のあり方について考えさせられるエピソードでした。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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