今回の社員旅行は、総務担当者が予算内で宿泊できる旅館を探していたところ、私が「実家の旅館なら相談できるかもしれない」と提案したことがきっかけで決まりました。実家の旅館は、社員全員分・2日間の貸切料金をかなり割り引いてくれていたのです。
「集合時間が変わったぞ」同僚の罠
楽しみにしていた社員旅行が翌日に迫ったときのこと。大卒エリートの同僚Aから突然メッセージが届きました。「飛行機の関係で、明日の集合時間が1時間遅くなったから」というのです。
少し不自然には思いましたが、嘘をつく理由もないだろうと信じてしまったのが間違いでした。
翌日、彼に言われた通りの時間に空港に向かうと……なんと、みんなが乗るはずの飛行機はすでに離陸した後だったのです! しかも、旅行先へ向かう便はそれが当日の最終便。私はその日のうちに旅行先へ向かうことができなくなってしまいました。
後から聞いた話によると、同僚Aは旅行先で「あいつ、寝坊で遅刻らしいですよ。やっぱり低学歴はだらしなくて困りますね」と周囲に吹聴していたそうです。どうやらAは、大卒の自分より高卒の私が評価されていることが気に入らず、私を陥れることで自分の立場をよく見せようとしていたようでした。 このとき、彼が私のことをよく思っていなかったのだと気づきました。
宿泊先の女将が放った痛快なひと言
私は慌てて宿泊先の旅館に電話を入れました。「ごめん、今日中にそっちへ行けなくなった。集合時間、間違えて伝えられてたみたいでさ……」電話に出た女将は、私の声を聞くなり、すぐに事情を察したようでした。
今回の宿泊先は私の実家が営む温泉旅館。そして、電話に出た女将は私の姉でした。
そのころ、旅館に到着した同僚Aは「いい部屋を使わせろ!」とふんぞり返っていたそうです。そこへ女将である姉が登場し、冷ややかな声でこう言い放ちました。
「当館は本日、社員の皆さまのために貸切となっております。ですが……今回はうちの“坊ちゃん”の紹介ということで、宿泊費を特別価格にしていました。本人が本日来られないのであれば、特別割引は適用できません。正規料金では、総額200万円をお支払いいただくことになります」
全員の前で暴かれた同僚Aのウソ
そこで総務担当者がすかさず、「今回の旅行は、予算内で宿泊できる宿がなかなか見つからなくて困っていたところ、彼が実家の旅館につないでくれたんだよ。だから、こんなに破格で泊まれることになったんだ」と言ったようです。
顔面蒼白になった同僚Aは、「あ、あいつが自分で時間を間違えたのが悪いんだ!」と焦った様子で声を上げたそうです。しかし、私は飛行機に乗り遅れたとわかった直後、旅館へ向かっている総務担当者へ事情を説明し、同僚Aから送られてきた『ウソの集合時間のメッセージ履歴』を転送していました。
総務担当者がそのメッセージを全員の前で読み上げると、同僚Aの悪事は完全に暴かれ……。周囲からは冷ややかな視線が向けられ、彼はすっかり孤立することに。同僚Aは、私がおとなしい性格だから、自分から連絡があったことを私が話すはずはないと高をくくっていたのでしょう。
その後、同僚Aは今回のことが問題視され、降格処分となりました。一方、翌朝に別ルートで実家の旅館に到着した私は、同僚たちから大歓迎を受け、社員旅行を楽しむことができました。人を陥れようとすれば、結局は自分に返ってくるのだと痛感した出来事でした。
◇ ◇ ◇
相手の学歴を理由に見下したり、わざと困らせたりする行為は、決して許されるものではありません。誰かをおとしめようとするおこないは、結局は自分自身に返ってくるもの。他人を傷つけるのではなく、お互いを尊重し合いながら働ける環境でありたいですね。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。